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果たして空き家は減るか? 空き家対策特別措置法が成立

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【今週の住活トピック】
「空家等対策の推進に関する特別措置法案」が成立
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/187/meisai/m18705187011.htm

「空家等対策の推進に関する特別措置法案」(以下、空き家対策特別措置法)が国会解散直前に成立した。それだけ急務な課題ということだ。どういった法律なのか、それによって空き家は減るのか、考えてみよう。空き家の対策を法律で規定する理由とは?

総務省の「2013年住宅・土地統計調査(速報集計)」によると、全国の住宅に占める空き家の割合は2013年10月時点で13.5%、820万戸に上り、年々増加している。地方だけでなく、都市部でも空き家は増えており、管理が不十分な空き家が防災や防犯の問題、衛生上の問題、景観の悪化などの諸問題を引き起こしている。

地域住民の安全を考慮して、地方自治体では空き家の管理条例などを制定して、対応を急いでいる。認定NPOまちぽっとによると、空き家の管理条例は全国で303条例あり、このうち「行政代執行」を規定している条例は 177 条例と半数を超えているという。

空き家といえども個人の財産なので、条例などによって所有者に適切な管理の勧告や命令を行うことになるが、それでもなお適正な管理が行われない場合も多い。放置されたままでは地域住民の安全が損なわれると判断された場合は、地方自治体などの行政機関が所有者に代わって撤去するなどの必要があり、それが「行政代執行」だ。

こうした問題のある空き家の適切な管理を強く促し、倒壊の恐れがある空き家を撤去することなどを地方自治体が行いやすくするには、国が法的な根拠を提示して支援する必要がある。「空き家対策特別措置法」成立には、こうした背景があるのだ。法律で空き家の対策はどう変わる?

「空き家対策特別措置法」の狙いは2つあり、1つがこれまで説明してきた問題のある空き家への対策だ。法律で問題のある空き家を「特定空家等」と定義して、市町村が空き家への立入調査を行ったり、指導、勧告、命令、行政代執行(所有者が命令に従わない場合や所有者が不明な場合)の措置を取れるように定め、所有者が命令に従わない場合は過料の罰則を設けている。

また、登記があいまいで空き家の所有者が分からないという課題については、固定資産税などの課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるようにも定めている。

もう1つの狙いは、活用できる空き家の有効活用だ。市町村に、空き家のデータベースを整備し、空き家や空き家の跡地の活用を促進することを求めている。

同時に、これらのことが確実に実行されるには、国が基本方針を定め、それに応じて市町村がそれぞれ空き家に対する方策を立てる必要がある。空き家対策の実施に必要な費用についても、国と都道府県が市町村に補助をするなど財政上の措置も必要となる。

「空き家対策特別措置法」は成立したが、施行は「公布の日から起算して3カ月以内で政令で定める日から施行」などとなっており、まだ先となる。

国土交通省では、問題のある空き家の判断基準などのガイドライン作成に乗り出す一方、今回法案に盛り込まれなかった、固定資産税の減額(※)についても見直しを検討している。時間はまだかかるが、空き家対策は着実に整備が進められているといってよいだろう。

(※)空き家を撤去し更地にすると固定資産税の軽減措置が受けられなくなるので、不要な住宅の放置につながると指摘されている

また、空き家問題を受けて、今年に入ってから、民間企業が所有者に代わって空き家を管理するサービスや空き家を診断し活用方法を提案するサービスなどを開始する事例が増えている。

その一方で、住宅の除却や減築が進まないと2023年には空き家率が21.0%にまで増加するという、野村総合研究所の予測もある。核となる市町村がしっかり空き家対策に取り組むことに加え、所有者自身が空き家にしない方策を考えることが求められるだろう。●住宅・土地統計調査発表。空き家の増加やバリアフリー普及などの実態は?
HP:http://suumo.jp/journal/2014/08/06/67236/
●DIY型で空き家を解消。国土交通省が「空き家を活用するための知恵袋」発行
HP:http://suumo.jp/journal/2014/05/28/63292/
●地方でも都市部でも空き家が増加。なぜ増える?どんな問題が生じる?
HP:http://suumo.jp/journal/2013/12/11/56107/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/12/03/74216/

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