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霊感商法による損害賠償請求は可能か?

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Q.

 大変お恥ずかしい内容ですが、知人との長年の不仲トラブルに悩み、占い師の電話鑑定で、ある世界遺産の観光地の因縁が原因であると言われて、土地に対するご祈祷、浄化を受けました。
 いろいろ含めると交通費、宿泊費など経費を合わせて、占い師のセッション料金は、130万円です。実際、何の効果もなく、病気になったり、不運つづきで騙され、霊感商法であることが判明しました。損害賠償と精神的な慰謝料請求はできますか?

(年代・性別:不明)

A.

 損害賠償を請求する場合、大きく2つの方法があります。一つ目は、何らかの契約を結んでいて、その契約が不履行(実行されなかったり、実行されたものの損害を生じさせたりした場合)になった場合に行う、債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条など)。二つ目は、誰かからの権利侵害によって、ご相談者様に損害が生じた場合、その損害を回復させるために行う、不法行為に基づく損害賠償請求です(民法709条など)です。

 今回のご相談内容は、占いの結果、祈祷や占い師が言うところの浄化を行ったものの、運気が向上することはなく、反対に病気となったりしたとのことですね。
 このような占いや祈祷などの場合、前述のような債務不履行に基づく損害賠償請求という手法を採用するのは難しいと思われます。その理由としては、そもそも運は偶然なものであって、占いや祈祷によって必然的な結果を得る類のものではないためです。したがって、占いによって「運気が向上しなかった(当初の契約による結果を得られなかった)」といっても契約における不履行とはならないと思われます(後述する判決の判断も参照)。
 他方で、不法行為に基づく損害賠償は、過去に参考となる裁判例があります。例えば、大阪高裁平成20年6月5日判決では、「易断や祈とうの内容に合理性がないとか、成果がみられないなどの理由によって直ちに違法となるものではない。しかしながら、それに伴う金銭要求が、相手方の窮迫、困惑等に乗じ、ことさらにその不安、恐怖心をあおったり、自分に特別な能力があるように装い、その旨信じさせるなどの不相当な方法で行われ、その結果、相手方の正常な判断が妨げられた状態で、過大な金員が支払われたような場合には、社会的に相当な範囲を逸脱した違法な行為として、不法行為が成立する」とされています。したがって、ご相談者さまの不安などに乗じて、さまざまな勧誘的行為が行われ、実際に行われた祈祷や浄化の内容に比べて過大な金額を支払った場合は、総合的な判断に基づき、損害賠償が成立する可能性があると言えます。

 今回のケースでは、金額は130万円と大きなものですが、具体的にどのような勧誘などがあったか、祈祷や浄化の内容などについて詳細がわからないため、確定的なことは言えません。
 上記のような状況であることを踏まえつつ、詳しい状況を整理したうえで、一度、弁護士などの法律の専門家にご相談されることをおすすめいたします。

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霊感商法による損害賠償請求は可能か?

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