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消費税再増税までに企業がやるべきこと

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消費税率10%への引き上げ、1年半延長

安倍首相は、来年10月1日から予定されていた消費税率10%への引き上げを1年半延長することを決断しました。消費税率を引き上げるかどうかの判断材料とされていた7月から9月までの国内総生産の速報値は、年率換算で1.6%のマイナスと発表されています。1年半といえば経済の回復には十分な期間となりそうですし、今後も円安、株高が進むと1年半後の経済状況は随分と変わってくるでしょう。大企業を中心に給与も少しずつ増えるなど前向きな話題も出てきました。

今回は、企業が増税前にやるべきことを考えてみます。

売上が5千万円を超える場合、増税前の駆け込み購入は必要ない

一般消費者であれば、住宅や車など増税前に大きな買い物をしておこうという動機づけが働きますが、事業をしている場合は状況が異なります。売上が5千万円を超える事業者の場合は「本則課税」といって、売り上げに係る消費税から仕入れや経費に係る消費税を控除して、納付する消費税額が決まります。つまり、消費税率にかかわらず、仕入や経費に係る消費税は売上に係る消費税から控除できるため、増税前に急いであれこれ購入する必要はありません。これは消費税の負担者は最終消費者で、事業者は最終消費者から消費税を預かっているだけだからです。逆に、増税前は駆け込みで資材本体の価格が高騰する傾向にあることに留意しましょう。

ちなみに、売上が5千万円以下の事業者の場合は「本則課税」ではなく「簡易課税」となります。簡易課税の場合は、仕入れや経費に関わらず、売上の一定割合が納める消費税額となりますので、支払いの増加分はそのまま事業者の負担となります。

顧客との信頼関係をしっかりと築いていく1年半に

次に売上面を考えてみます。1年半後には消費の回復も落ち着き、再増税に向けて再び駆け込み需要が期待できるでしょう。今後、これまで以上に円安が進むと原材料がさらに高騰し、小売価格が跳ね上がます。増税後は、その跳ね上がった小売価格に対して10%の消費税がかかる、ということになります。10%という税率は、もはや会社の経営努力でカバーできる範囲を超えているといって良いでしょう。

増税後は円安を前提とした安売りのビジネスモデルが継続できなくなる可能性があります。増税後もきちんと価格に転嫁できるように、そして、転嫁しても顧客が離れないよう、信頼関係をしっかりと築いていく期間ともいえましょう。

(西谷 俊広/公認会計士)

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