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ゴジラ60年の歴史を振り返る 第4回(全7回)

第3回の続きです。

【第8章・・・怪獣ブームの終焉】

 1968年になると、子供達の間では妖怪・怪奇ブームやスポ根ブームが沸き起こり、怪獣人気は低迷してしまいました。
円谷プロのテレビ番組『ウルトラセブン』はシリーズの後半になると視聴率が低迷。シリーズ前半は30%あった視聴率が最低で16.8%まで落ち込んでしまいます。円谷英二は視聴率を気にしており、心労の原因の1つとなったようです。

【関連:ゴジラ60年の歴史を振り返る 第3回(全7回)】

 『ウルトラセブン』は予算の都合で縫いぐるみの怪獣・宇宙人を登場させることができない回も数回あり、当時の少年達を失望させたという話も聞きますが、一方で『ウルトラセブン』は『ウルトラマン』より高い年齢層を意識した番組でありました。この2つの条件が相俟って、縫いぐるみの怪獣・宇宙人が登場しない秀逸なSF作品が誕生した訳ですね。後世の目から見ると、このような回が『ウルトラセブン』という作品の幅を広げ、作品の質を高めているのは、皮肉なことです。

 さて1968年は、東宝が特撮映画の2大ジャンルにおいて集大成となる映画を公開しています。
1つは怪獣映画の集大成となる『怪獣総進撃』(本篇監督・本多猪四郎、特技監督・有川貞昌、音楽・伊福部昭)、もう1つは戦記映画の集大成となる『連合艦隊司令長官 山本五十六』(本篇監督・丸山誠治、特技監督・円谷英二、音楽・佐藤勝)です。
『山本五十六』は戦艦長門、大和、金剛、榛名、空母赤城、飛龍、ヨークタウン、ホーネットが登場し、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、第二次ソロモン海戦、鼠輸送作戦、ヘンダーソン飛行場砲撃、南太平洋海戦、ケ号作戦、い号作戦、山本五十六の戦死を描いており、日本映画史上、太平洋戦争の中盤までが最もよく纏まっている作品となっています。

 『怪獣総進撃』は東宝怪獣映画20本目を記念して製作された作品です。同時に、東宝は怪獣映画製作を打ち切ることにし、本作を最後の怪獣映画として製作しました。
毎度お馴染みのゴジラ、ラドン、モスラ幼虫、キングギドラに加えて、前年の『ゴジラの息子』に続いて登場のミニラ、クモンガ、何と『ゴジラの逆襲』以来13年ぶりの登場となるアンギラス、『海底軍艦』以来5年ぶり登場のマンダ(外見が海蛇みたいになっちゃったが)、『大怪獣バラン』以来10年ぶり登場のバラン、3年前の『フランケンシュタイン対地底怪獣』よりバラゴン、前年の『キングコングの逆襲』よりゴロザウルスという、11大怪獣が登場する作品となっています(尤もバランとバラゴンはチョイ役なのが悲しいですが)。

 物語の設定としては、20世紀の終わりに小笠原諸島にある怪獣ランドで怪獣達が飼育・管理されているというもので、それまで人類に脅威を与えていた怪獣達が人類の管理下に置かれているということは、怪獣に対する人類の最終的な勝利を表していると言えるでしょう。尚、小笠原諸島がアメリカから日本に返還されたのは『怪獣総進撃』公開と同じ年です。

 しかし怪獣ランドは襲撃を受けてしまいます。これは地球侵略を狙うキラアク星人の陰謀で、同星人に操られた怪獣達は世界各地を襲撃します。ラドンはモスクワのクレムリン宮殿、モスラ幼虫は北京の鉄道、ゴジラはニューヨークの国連本部、ゴロザウルスはパリの凱旋門を破壊。東京にはゴジラ、ラドン、モスラ幼虫、マンダの4匹が出現。マンダがモノレールに巻き付く描写では有川監督の操演技術が光っています。

 後半では、洗脳が解けた地球怪獣は、キラアク星人が呼び寄せたキングギドラと対決。キングギドラに噛み付くアンギラス、糸を吐くクモンガ、キングギドラにドロップキックをかますゴロザウルスなど、脇役怪獣にも見せ場が用意されています。さしものキングギドラも多勢に無勢で、ゴジラに首を踏み付けられるなど可哀想な状態になっていました。

 音楽面では、ゴジラのテーマ曲は『怪獣大戦争』の時とほぼ同じで大魔神のテーマ曲のイントロ→「ゴジラの恐怖」のイントロ→ラドンのテーマ曲→「ゴジラの恐怖」のメドレーとなっています。キングギドラのテーマ曲も『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』の時と同じ。また、スピード感溢れる「怪獣総進撃マーチ」が空中戦を盛り上げました。
 さて、東宝はこの『怪獣総進撃』を最後に怪獣映画製作を打ち切る予定でしたが、結局、東宝怪獣映画は形を変えて生き残ることになります。

 1968年は妖怪・怪奇ブームが勃発し、怪獣人気が廃れた年ではありますが、いずれも特撮作品であることに変わりはありませんでした。

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