ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

決議事項 ~利益相反取引の承認1~

DATE:
  • ガジェット通信を≫

■利益相反取引とは?

 利益相反取引とは、取締役が自己又は第三者あるいはその代理人・代表者のために会社とする取引のことをいいます。
 取締役が会社に不動産を譲り渡す場合のように、会社が取締役と取引をすることが、もっとも典型的な利益相反取引の場面であるといえます。取締役が個人として取引をするだけでなく、取締役が別の会社を代表して会社と取引をする場合も同様です。この場合、価格を不当に高く設定すると会社に不利益が生じる危険があります。他方、会社がその取引を必要とする場合もありえます。そこで、取締役と会社で行う利益相反取引を禁止するのではなく、利益相反取引について取締役会の承認を受けなければならないものとしています(会社法356条1項2号、3号365条1項)。

■取締役会での承認の際の手続

 利益相反取引をしようとする取締役・会社を代表する取締役は、取締役会の承認の際に、当該取引について重要な事実を開示しなければなりません(会社法356条1項柱書365条1項)。これは、その取引を承認すべきか否かの判断をするための情報を提供するためです。
 したがって、重要な事実の開示により個々の取引の内容を確定することができれば、包括承認をすることは認められます。また、取引行為後の承認も、当該行為を無権代理行為とした上で、承認を後の追認とすることで、その承認を有効としています(最大判昭和43年12月25日)。

■事後の報告

 利益相反取引をした取締役は、当該取引の後、遅滞なくそれについての重要な事実を取締役会に報告しなければなりません(会社法365条2項)。この事後の報告は、会社が取締役に対して損害賠償をするか否かの判断をするためになされるので、取引についての承認を受けたか否かは関係なく、報告がなされなければなりません。

■まとめ

 利益相反取引についての取締役会の承認の手続については、前回まで説明してきた競業取引と似ているものが多いです。
 ただし、競業取引とは異なり、会社法上、利益相反取引については、直接取引の規制(会社法356条1項2号)と間接取引の規制(会社法356条1項3号)の2類型が規定されています。そこで、次回以降、各々の取引の規制について説明していきたいと思います。

元記事

決議事項 ~利益相反取引の承認1~

関連情報

決議事項 ~定時株主総会の招集1~(議事録から見る会社法)
第4回 行政書士による法務会計実務の実際(法務会計について)
未成年者でも親の承諾がなく働ける?(なっとく法律相談)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。