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フォロワー9万超、中国の「ツイッターおじさん」 官僚の不正暴いて大人気

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フォロワー9万超、中国の「ツイッターおじさん」 官僚の不正暴いて大人気

2014年11月17日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、今まさに中国で起きている「異変」に切り込むシリーズの第3弾を放送した。「中国バブル崩壊」「ニトリ中国進出」「がん大国に挑む日本人医師」などを取り上げる中、ひときわ目を引いたのが中国政官の腐敗を暴く「ツイッターおじさん」の話だ。

「腐敗している役人が多すぎます。庶民は本当に怒っているんです」

そう憤るのは、中国国民の街の声。官僚の飲食接待や旅行など、無意味な浪費は2010年だけで約16兆円にものぼるとされ、市民の怒りが爆発している。
公用車の私的利用を撮影し、ネットに投稿

そんな中、中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo、ウェイボー)」で注目を集めているのが、「広州の区おじさん」。彼が日々行っているのは、腐敗現場をカメラに収めてネットに流すことだ。

区おじさんこと区少坤(ク・ショウクン)さん(61)は、広州で生まれ育ち、公務員などを経て現在は年金暮らし。「広州の区おじさん」のアカウントは、一般人にもかかわらずフォロワー数が9万人を超える。

取材班が区さんと落ち合うと、あいさつもそこそこに広州市内にある高級ホテルへ向かい、車の車種とナンバープレートをチェックする。公用車に費やされるカネは広州市だけで年間170億円。官僚が公用車を私的に使っていないか、日々目を光らせている。

この日、標的を発見した区さんは、いきなり車の正面に立ちはだかり、「止まれ止まれ止まれ! 公用車を運転して何をしに来ている?」と叫んで、カメラを向けた。

「日曜日に公用車を勝手に使っていいのか?」と詰め寄り、「買い物だと? 説明しろ! なぜ女性を連れている? 俺の質問に答えろ!」と怒鳴る姿は、まるで刑事ドラマの鬼刑事だ。
暴行されて入院したことも

区さんは憤りながら「公用車で買い物? 庶民は心が痛いよ。税金の無駄遣いだ」と語る。撮影した動画は、その日のうちに中国版ツイッターにアップ。翌日には「区さん偉いね!」「河南省にも見回りに来てよ」「勇気あるね」など、多くのメッセージが寄せられていた。

その後も、大型バンに向かい「軍用車を女性と子どもばかりの旅行に使っていいのか!」などと叫びながら撮影。活動を始めて9年間、告発した件数は1000を超える。

このほか、ニュース映像を逐一チェックし、高級幹部が身に着ける宝飾品やブランド時計をネットにアップ。賄賂の疑いで告発する。実際この手法で、ある官僚がロレックスなどの高級腕時計11個を受け取る収賄が判明し、懲役14年の判決が下された。

なぜこの活動をしているのかという問いに、区さんはこう語った。

「良心です。もっと世の中が進歩して、公平な社会になって欲しい。中国も変わらなければならないのです」

このような活動には、当然いやがらせや脅迫も多く、暴行されて入院したこともある。一方で、危険を顧みず役人たちの不正を暴く区さんには、現場で握手を求める姿も見られた。
経済成長で「公費の無駄遣いが天文学的数字」

中国政府はいま、2012年に就任した習近平国家主席が打ち出した「ぜいたく禁止令」によって、官僚の公費無駄遣いをなくそうと真剣に動いている。無許可での接待禁止や、接待の席でのフカヒレ・高級タバコ・ツバメの巣を禁止、飛行機のファーストクラスの利用禁止など、今まで当たり前に行われていたことが全て禁止となった。

この反腐敗キャンペーンで、2013年には一般の公務員が18万2千人摘発され、ひとりで1兆6千億円の汚職が発覚した共産党高位の周永康氏も摘発された。

番組ナビゲーターの後藤康浩氏(日本経済新聞社・編集委員)は、「中国は共産党を中心とした役人の天国」としたうえで、こう解説した。

「経済成長によって、公費の無駄遣いが天文学的数字になってしまった。経済がおかしくなると同時に、共産党に対する一般庶民の怒りが限界まで来ている。放っておくと共産党がその批判をすべて受けてしまい、体制が崩れてしまう危機感を持っている」

自由がないと言われる中国でも、ネット上でこうした活動が行われていることに驚いた。それだけ中国も改革を進めているということだろう。日本の公務員は中国に比べてはるかに清廉だと思うが、国民は中国の方がたくましいと感じた。(ライター:okei)

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