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大学生が提案! 賃貸アパートのDIYプラン・コンテスト開催

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空き家が社会問題となるなか、産学協同による「DIY賃貸アパートモデルプラン・コンテスト」が和光大学(東京都町田市)で開催された。大学生たちは、賃貸アパートの室内にどんなDIYをしようと提案したのだろう? 産学協同によるコンテストを開催するのはなぜか?

今回のコンテストは、アイディアを競うだけのものではない。実際に、賃貸アパートの室内を改修し、「DIYモデルプラン」として公開するためのデザインを募集するコンテストだ。

賃貸アパートは、和光大学の近隣の川崎市麻生区岡上地区にある、インキュベーションファクトリーが所有する「グリーンヒル西村」。この賃貸アパートは「借主負担DIYアパート」となっており、すでに借主が自己負担で室内をDIYして住むという事例もある。

ただ、「どんな風にDIYしたらよいのか分からないといった声もあり、モデルになるものがほしいと思ったのです」とオーナーであるインキュベーションファクトリーの小泉雅史さん。近隣にある和光大学の学生に物件を知ってもらい、アイディアを出してもらおうと考えた。

要望を受けた和光大学経済経営学部教授の小林猛久さんは、「地域の活性化の核となるのが大学の役割です。和光大学には建築に関する学科はありませんが、実際に社会の場で活かせる学びの場を与えていただいたのはありがたいこと」と、コンテストを提案。実社会と連携して具体的にアイディアを示す経験を積むことは、学生にも役立つはずだという。

【画像1】DIYの対象となったグルーンヒル西村(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)学生たちが提案したDIYプランはどんなもの?

年度途中の企画となったので、授業の一環ではなく自主的な参加というコンテストになったが、卒業生を含む5チームがコンテストの審査会でプレゼンを行った。

第1発表(渡邊健吾):生物と人との繋がり
→ 昆虫好きの人向けの昆虫と住みたくなる部屋づくりを提案。室内に昆虫や観葉植物を置けるボックスなどを用意し、屋外には飼育しているものを展示できるスペースを設けて地域交流を図る。予算の目安は、室内1万2000円、室外2万5000円~3万2000円。

第2発表(永野・指江チーム):ハンモックのある暮らし
→ 趣味や余暇を楽しみたい中高年向けにハンモックのある暮らしを提案。室内にハンモックを設置し、屋外にもハンモックを持参して設置できる交流スペースを設ける。予算の目安は、2万9100円。

第3発表(秋田・中嶋チーム):GREEN HILL GREEN LIFE
→ ガーデニング愛好家などが屋内外を問わず、ライフスタイルに応じて年間を通してグリーンと暮らせる生活を提案。屋外にグリーンウォールを設置することで”登りたくなる坂道”を演出し、室内にはテーブル型のプランターやウォールを設置する。予算の目安は8万9500円。
※当日は仕事の都合で事前に録画した動画によるプレゼン

第4発表(川元・瓦チーム):住人十色な部屋
→ 一人暮らしの学生に自由にデザインできる棚とジョイントを組み合わせたスペースを提案。好みのものをプリントして自由にはがせる壁紙のアイディアも。予算の目安は、8万円。

第5発表(田澤・小林・関川チーム):自然と生きる家
→ 制作意欲を持つ学生に、室内空間を自由に演出できる空間を提案。押入れの扉をなくすなど仕切りを排除し、壁に板材の棚、収納になる床上げ、天井にレールを設置し、四季に応じて自然のものを取り入れた室内装飾を促す。プロジェクトを象徴するキャラクター鷺ノ森之尊(さぎのもりのみこと=岡上の自然(植物やサギ)が一体となった姿で、里山を守る神という設定)、自作のDIYや地域イベントを紹介できるウェブサイトの設置も提案。予算の目安は6万3154円(ウェブサイト費用含まず)。

【画像2】コンテスト審査会のプレゼン(第4発表)の様子(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)コンテストの評価ポイントと審査結果は?

このコンテストでは、実際にモデルプランを採用するオーナーが、コンテストの評価を行い、最優秀賞を決めた。オーナーの評価ポイントは事前に説明されていて、主要ポイントは以下の通りだ。
・住みたくなる地域、住みたくなる家を創造する
・部屋のデザインでなく、ライフスタイルをデザインする
・入居者がDIYできる仕掛けを用意する
・ITやインターネットを活用する  など

さて、オーナーが最優秀賞に選んだ提案は、第5発表の提案「自然と生きる家」だ。
評価基準に沿って提案がまとめられていたこと、季節ごとに変化する提案であることなどが評価された。

最優秀賞を受賞した学生チームに、感想を聞くと「小林先生の授業でコンテストのことを知って、やってみたいと思った」とリーダーの田澤さん。大学の授業では、1つの問題提起に対して1つの解決策を導き出していくが、このコンテストのお題は複数あり解決策も多数あるので、いろいろ考えるのは楽しかったと3人は口をそろえた。

今後は、提案されたモデルプランを実際に「グリーンヒル西村」で実現する第2フェーズに移行していくという。小泉さんは、「家賃が低迷する賃貸住宅のマーケットにおいて、借主が自由にDIYできることで、自分らしい暮らしが実現し、愛着を持って長くかつ、大事に住んでくれることになるので、『借主負担DIY型賃貸』の可能性を強く感じた」という。

【画像3】最優秀賞の田澤・小林・関川チーム(中央)。左は指導した小林教授、右はオーナーの小泉さん(写真撮影:住宅ジャーナリスト/山本久美子)

【画像4】最優秀賞を受賞した「自然と生きる家」の室内スケッチ(画像:コンテスト提案資料より転載)

コンテストの審査会に参加して、筆者が驚いたことは、学生たちがコンセプトやターゲットを整理し、具体的なプランや予算まで押さえた提案ができていたことだ。これには理由がある。学生にコンテストの説明会を開いた後、2回のワークショップと個別相談の機会を設けたからだ。オーナーの要望に沿った提案内容になるよう軌道修正したり、不足箇所を指摘したりすることで、学生の提案のレベルアップが図れたということだ。

ちなみに、筆者の一押しは、第3発表の「GREEN HILL GREEN LIFE」。物件概要で急な坂道があると分かるが、住人同士で植物の育て方のノウハウを共有し、この坂道を壁面緑化で美しく飾れば、周辺住人の目を楽しませることにもなるので、「登りたくなる坂道」というワードが面白いと思ったからだ。

産学協同の「DIY賃貸アパートモデルプラン・コンテスト」が今後どのように花開いていくか楽しみだ。

【画像5】筆者一押しの「GREEN HILL GREEN LIFE」のイメージ図(画像:コンテスト提案資料より転載)

【画像6】説明会の後、審査会までの間に2回行われたワークショップの様子(画像:「DIY賃貸アパートモデルプランコンテスト」のFacebookより転載)●「DIY賃貸アパートモデルプランコンテスト」(Facebook)
HP:https://www.facebook.com/groups/332132850279181/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/11/21/73748/

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