ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

日本酒「辛口」は辛くなかった!?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

11月20日は「ボジョレー・ヌーヴォー」解禁日。今年もひととおり盛り上がりそうですが、ちょっと待った! わがニッポンには、恐れ多くも国名を冠した「日本酒」というものがあるではないか。この季節は、とくに熱燗でキューッとやるのがたまりませんな。

【画像や図表を見る】

しかし、メニューを見て一瞬悩むのが「辛口」「甘口」という表記。個人的には、「そっちのほうが男らしいだろう」という安直な考えで辛口をオーダーするのが常だが、実際は何が違うのだろうか。

いわば、“日本酒のプロ”である日本酒造組合中央会(東京・港区)の理事・濱田由紀雄さんに聞いてみた。

「日本酒の『辛口』『甘口』は、日本酒度の数値によって分けられます。日本酒度とは比重を指し、明治時代から使われている浮秤(ふひょう)という浮き秤で計測。お酒の中の糖分が少ないと比重は軽くなって+(プラス)表示の『辛口』に、多いと重くなって−(マイナス)表示の『甘口』となるわけです」

日本酒度の幅は、だいたい+15から−15まで。今まで「男らしい」と思って飲んでいた『辛口』の日本酒は、決して“辛い”わけではなく、つまりは糖分が少ないという意味だったのだ。

「さらに、10年ほど前からは酒類総合研究所の提案により、酸度も考慮して『辛口』『甘口』表示をしようという動きが出てきました。お酒に含まれる酸度を計測するわけですが、日本酒度が同じ場合、この酸度が高いと『辛口』に、低いと『甘口』になる。これは、酸味に甘味の感度を打ち消す働きがあるからです」

ここで、面白い資料を見せてもらった。市販されている代表的な日本酒の日本酒度平均値の推移グラフだ。それによると、明治初頭は+17などという途方もない『辛口』が多く流通し、人気をあつめていたようだ。しかし、その後は徐々に下がっていき、昭和初期に平均値は『甘口』へと転じる。

「終戦後の昭和21年を過ぎると再び平均値が『辛口』に転じます。ところが、約7年後の昭和28年頃には、また『甘口』へと転換。その後の高度経済成長期は、昭和47年の“-6.4”を頂点とした緩やかな甘口志向の曲線を描く。元号が平成に変わったのを境に、平均値は再度『辛口』に転じ、現在もそのまま横ばい状態で続いています」

日本酒の『辛口』『甘口』は糖分と酸味の量だった。濱田さんによれば、「一般的に『辛口』の方がお燗に向いている」とのこと。こうした日本酒トリビアを肴に、寒い今夜も一杯いきますかね。
(石原たきび)
(R25編集部)

日本酒「辛口」は辛くなかった!?はコチラ

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

関連記事リンク(外部サイト)

中田英寿が監修する酒呑みアプリ
お酒は美容にいいって本当?
日本酒にもノンアルコールの波?
大人の味「酒スイーツ」が人気
量が物足りない!酒の肴TOP10

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
R25の記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP