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IT大国ベラルーシ 最も人気の外国語は英語で2番目は日本語

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 みずから主催する経営者の勉強会「向研会」の研修旅行にバルト3国を訪れていた大前研一氏。続いて訪れた、美女の国としても知られるベラルーシのIT大国ぶりについて大前氏が報告する。

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 北西にリトアニアとラトビア、東にロシア、南にウクライナ、西にポーランドと国境を接するベラルーシは、国土面積が約20万7600平方キロ(日本の半分強)、人口が約941万人(神奈川県より30万人ほど多い)で、民族構成はベラルーシ人が84%、ロシア人8%、ポーランド人3%、ウクライナ人2%など。

 バルト3国と同じく旧ソ連から1991年に独立したが、EUとNATO(北大西洋条約機構)に加盟したバルト3国と異なり、ロシアやウクライナなどとCIS(独立国家共同体)を結成した。

 この国は、日本人にとっては「最も遠い国」の一つだろう。なぜなら情報が少なくて馴染みがなく、ビザ(査証)の取得も非常に難しいからである。ベラルーシの旅行会社が発行した請願書や招待状とベラルーシ保険団体の保険加入が必要なうえ、駐日ベラルーシ大使館にパスポートを1週間ほど預けなければならないのだ。また、ビザがあっても車で国境を越える場合は入国審査に2時間ほどかかる。

 だが、実はベラルーシは日本とよく似た国である。肥沃な国土と豊富な天然資源を持っている隣のウクライナと異なり、国土が痩せていて天然資源も全くない。ウクライナのチェルノブイリ原発事故のとばっちりで多大な被害を受けてもいる。

 政治は、1994年に就任したアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が国民投票で憲法を改正して大統領の権限強化と3選禁止規定の削除を行ない、20年間にわたって君臨している強権的な独裁国家だ。ただし、ウクライナと違ってロシアとはうまくやっていこう、というスタンスである。天然資源がないため、ロシアに従っていたほうが得だと考えているのだ。

 なぜ、資源なき独裁国家がIT大国になったのか? 向上心があって有能でありながら、低賃金でも仕事を求める若い大卒のIT技術者が多数いるからだ。ベラルーシでは年間約1万8000人のIT技術者が大学を卒業する。この人たちをできるだけ国内に留めておくため、ミンスク郊外にハイテクパークを建設して海外からIT企業を呼び込み、就職先を確保するとともにインキュベーター(育成拠点)にしているのだ。

 ただし、若い人たちは息苦しくて生活が苦しい自国の将来に見切りをつけ、さっさと海外に逃れたいと思っている。そのためのパスポートは二つ。一つは「IT」、もう一つは「語学」だ。

 語学の一番人気は、もちろん英語である。だからベラルーシの若者は英語が非常にうまくなっている。二番人気は、なんと日本語だ。アニメなどから日本に関心を持って日本語を勉強している若者が多いのである。私たちはベラルーシ国立大学で日本人の先生に日本語を学んでいる女子学生たちとも懇談したが、太宰治を研究していて『人間失格』をテーマに議論を始める学生もいて驚かされた。

※週刊ポスト2014年11月21日号


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