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中国のパクリ遊園地 日本人記者が月給2.7万円で潜入に成功

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 中国のパクリ遊園地は失笑とともに知的財産権無視の姿勢が強く批判された。はたして中国人の権利意識は変わったのか。ジャーナリスト・西谷格氏が中国の最新型遊園地に“キャスト”として潜入した。

 * * *
 寿司屋のバイト(前々号)、反日ドラマへの出演(前号)に続いて編集部から与えられたミッションは、「パクリ遊園地で着ぐるみを着て働いてこい」というものだった。しかし、ここ数年この手の遊園地の話はなりを潜めている。今の中国は国際化が進み知的財産権の意識が根付いたということなのだろうか。

 いや、そんな短期間で中国が変わるわけがない。中国語サイトを丹念に検索していると、何やら怪しげな画像が目に飛び込んで来た。来場者と戯れる着ぐるみの姿は、明らかにディズニーアニメ「白雪姫」の7人の小人。後方には、目つきのおかしいドナルドダックもいる。その場所は山東省煙台市蓬莱にある「欧楽堡夢幻世界(英語名・ユーロパーク)」。北京と上海の中間に位置する沿岸地域だが、最寄りの都市までバスで2時間半という田舎町だ。

 そんな田舎の遊園地に、何の縁もゆかりもない私が潜り込めるのだろうか。不安を抱きながら電話を掛けて働きたいと申し出てみると、開口一番「給料はいくら欲しいの?  とりあえず事務所に来なさい」との返答をもらい、すぐさま現地に飛んだ。

 周囲は遊園地を含めて閑散としており、あまり人の気配がない。オフシーズンとはいえ、近くの民宿やレストランも客はまばらだった。

 まずは下調べとして園内に入ってみる。入園料は200元(約3600円)だが、この地域の給与相場が月給2000元だと考えるとかなり高額だ。来場者の身なりは比較的こざっぱりとしており、経済的にゆとりのある層が遊びに来ているようだ。

 入場ゲートをくぐると、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン風の地球儀のようなオブジェがいきなり設置されていた。その奥にはシンデレラ城風の城がそびえ立っているが、改修途中のため錆びた鉄パイプの足場で囲まれているのがみすぼらしい。

 このほかビッグサンダーマウンテン風の「鉱山小鎮」やスペースマウンテン風の「星空過山車」など、アトラクションはディズニーランドを彷彿とさせるものが散見される。建物以外はどうだろうか。メインキャラクターの「悠古(ヨウグー)」もディズニーの怪獣キャラクター、「リロ・アンド・スティッチ」のスティッチに似ている。以前話題になった石景山遊楽園ほどではないにせよ、パクリは健在だった。

 入り口近くの事務所を訪ねると、履歴書に簡単な経歴を記入した上で「何がやりたいのか?」、「なぜ都会の遊園地で働かないのか?」などの質問を受けた。「ダンス経験者なので着ぐるみを着てパレードに参加したい」、「田舎でのんびり過ごしたいから」などと答え、面接は5分程度で終了。その結果、2~3日試用期間として様子を見て、本採用になったら給料は月1500元(約2万7000円)という条件で採用され第一関門はクリアできた。(続く)

※SAPIO2014年12月号


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