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アベノミクスで急増「円安倒産」を防ぐには

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円安に起因した企業倒産は前年同期の2.2倍

東京商工リサーチは、11月12日、今年1月から10月までの全国企業倒産状況(負債額1,000万円以上)を発表しました。それによると、円安に起因した企業倒産は238件と前年同期の2.2倍となったそうです。産業別では、貨物自動車運送業などの運輸業88件を筆頭に、製造業49件、卸売業44件と続いています。円安により、運輸業はガソリン、製造業は原材料、卸売業は輸入製品が、それぞれ値上げとなったため、業績を圧迫したものと推察されます。

アベノミクスで円安は急激に進んでおり、11月12日現在、1ドル115円まで下落しています。輸出企業にとっては、円安はありがたいことですが、燃料や原材料を輸入する企業にとっては、コストに跳ね返る辛いものです。

とはいえ、報道でもありますが、1月から10月の全体の倒産状況は前年同期比10.1%減少の8,309件であり、これは年間では6年連続のマイナスとなります。バブル期の1990年以来、24年ぶりに1万件を割り込む可能性もあるそうです。金融円滑化法の終了以降、政府は中小零細企業に対して強力な金融支援を継続しています。そのため、一概に比較はできませんが、これまでなんとか資金を回してきた会社が、円安で耐えられなくなってしまった感があります。円高を前提に成り立っていた商売が、コスト増しを吸収できなくて成り立たなくなった、といえるでしょう。

大企業が採用できる手法は、中小零細企業にとっては非現実的

さて、このような「円安倒産」を防ぐためにできることを考えてみます。大企業であれば、多角化して円安と円高どちらに振れても収益を確保できるように、補完関係にある複数のビジネスを展開するでしょう。海外進出して現地法人で生産活動を行えば、為替レートの影響を排除できますし、通貨スワップやデリバティブ、為替予約などの金融商品を利用することで通貨変動のリスクを回避することも可能となります。

しかしながら、これらは人やお金などの経営資源が豊富な大企業だから採用できる方法で、中小零細企業にとっては非現実的な選択肢です。また、円安倒産を回避するために、燃料や原材料の調達先を変えたり、輸入企業が輸出企業に転換するなどビジネスモデルを変えるのも同じく現実的とはいえません。

値上げを諦めないで価格に転嫁することを考える

さらなるコスト削減や人件費削減に、ついつい頭が行きがちですが、特に人件費の削減は会社の士気にも悪影響です。今回の円安はどこまで進むかわかりませんし、その原因は会社の努力とは関係のないところで起きているのですから、きちんと値上げをして価格に転嫁することを考えてみましょう。BtoCの商売か、BtoBの商売かの相違はありますが、値上げを初めから諦めないで、収益を上げてやっていける価格で商売することを考えるべきです。

また、自分の会社が大丈夫でも、取引先が円安倒産することはあります。また、取引先の取引先が円安倒産したことで取引先が倒産することもありえます。特定の数社に取引先が集中することの危険性を認識し、偏らないようにするのも一案です。

(西谷 俊広/公認会計士)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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