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決議事項 ~競業取引の承認1~

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■競業取引を規制する趣旨

 取締役が自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしようとするときには、重要な事実を開示した上で、取締役会の承認を受けなければなりません(会社法356条1項1号365条1項)。
 取締役が会社の事業と競合する事業を行うことは、会社のノウハウや顧客情報を奪うかもしれず、会社の利益を害する危険が大きいからです。他方、取締役が会社の職務以外に事業を行うことを過度に制限することは妥当ではありません。そこで、取締役が競業取引を行うことを全面的に禁止とはせず、取締役会の承認を必要としています。

■具体例

 上述したとおり、競業取引をする際には、取締役会での承認が必要となります。そこで、取締役会の承認を得た場合には、取締役会議事録に記載する必要があります。そこで、以下で具体例を記載したいと思います。

1.A 取締役の競業取引の承認について

 議長から、A 取締役は、この度、甲 株式会社の代表取締役に就任したが、同社と当社は製品αの競業取引(当社は平成×年×月×日から平成×年×月×日までの向こう×年間○○○百万円、甲 株式会社は同期間○○○百万円の売上計画があり、当社は上記売上の他に 乙 株式会社から○○○百万円仕入れ販売している)をすることになるので、その取引の承認を得たい旨重要な事実を開示した上での提案があり、議長はこれを議場に諮ったところ、全員異議なく承認した。
 なお、甲 株式会社の代表取締役を兼務している A 取締役は、特別利害関係人であるため、この決議には参加しなかった。

■取締役会での承認手続

 競業取引をしようとする取締役は、取締役会での承認の際に、当該取引について重要な事実を開示しなければなりません(会社法356条1項柱書365条1項)。
 承認の際に包括的な承認に足る十分な情報を開示しているのであれば、取締役会は繰り返し行われる同種の競業取引についての包括的な承認をすることもできます。
 取締役会が承認を決議する場合、会社と利益が衝突する取締役は、決議に特別の利害関係があるため、議決に加わることができません(会社法369条2項)。

元記事

決議事項 ~競業取引の承認1~

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