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サンゴの密漁は何法違反なの?

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 報道によれば、小笠原諸島周辺海域などで中国漁船によるサンゴの密漁が横行している問題で、海上保安本部は11月7日、台風が遠ざかった周辺海域に約200隻の中国漁船が再び接近しているのを確認し、巡視船での警戒を強めたとのことです。中国ではアカサンゴを加工した装飾品の人気が高まっており、高級品は1グラムあたり1万元(約19万円)で取引されており、サンゴバブルの様相を呈しているといわれています。今後ますます中国漁船による大規模な密漁が行われることが懸念されています。
 今回はこのような密漁がどのように規制されているのかについてみていきたいと思います。

 まず、外国人による日本の排他的経済水域における漁業を規制する法律として、「排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律(漁業主権法)」があります。排他的経済水域とは、海をもつ沿岸国が、天然資源など経済的なことを、自国の支配下におくことができるという海域のことを指し、沿岸から最大200海里が水域として設定されることが認められています。
 漁業主権法第4条で外国人の漁業を禁止しており、違反した場合には一千万円以下の罰金に処されます(同法18条)。但し、担保金等が提供された場合には、違反者は釈放され、船舶や押収物は返還されることになっています(同法24条)。

 外国人漁業の規制に関する法律(外国人漁業規制法)においても、外国人の漁業を原則として禁止(法3条)し、寄港の制限を行っています(法4条)。違反した場合には、三年以下の懲役もしくは400万円以下の罰金が科されます(法9条)。
 さらに、漁場の利用を調整し漁業の発展を目的とする法律として漁業法が存在します。漁業法では、漁業権という、一定の場所で特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利が設けられています(法6条)。他人の漁業権を侵害した場合は、20万円以下の罰金に処せられます(法143条1項)。

 また、サンゴを採る行為は、自然環境保全法違反となる場合もあります。自然環境保全法では、特定の地域内において動物の捕獲、殺傷、卵の採取や損傷を禁じています(法17条1項10号)。サンゴは植物のように見えますが、イソギンチャクの一種であって動物と定義されていますので、本号が適用となります。違反した場合は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されます(法53条1項)。

 今回のサンゴの密漁は、少なくとも漁業主権法、外国人漁業規制法、漁業法に反する行為となり処罰されることになります。
 しかし、アカサンゴの売り上げが数千万円といわれているところ、数百万円の担保金や、一千万円以下の罰金は、利益に比べて金額が低く、あまり抑止効果となっていないのが現状です。
 そこで、水産庁は、関係法令の罰金や保釈の条件となる担保金を引き上げるといった法改正の検討に入りはじめているようです。

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