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離婚した夫の葬儀費用は誰が負担するのでしょうか?

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Q.

 離婚して、私が子供三人の親権を持ち、離婚の際に子供も元夫の戸籍から除籍し、私の新しい戸籍に入れました。現在は、長女は結婚をし、次女と長男も社会人として自立して生活をしております。元夫は現在も独身で、恋人や婚約者もおりません。元夫には、弟二人と妹二人の弟妹がおり、みんな結婚しております。母親は他界しておりますが、父親はご存命です。
 この場合、元夫が亡くなると、葬儀の喪主は誰がするのでしょうか?また葬儀やお墓の費用等は、私の子供三人で全て出さないといけないのでしょうか?それとも、元夫の親弟妹と私の子供三人で、均等に費用を負担するのでしょうか??

(40代:女性)

A.

 喪主とは祭祀を執り行う者を意味します。そして、喪主は法律によって決まることは無く、あくまで慣習、言い換えれば家族•親族の話し合いによって決まります。一般論ですが、亡くなられた方の配偶者、次に長男、その次に長女という順番ではなかろうかと思われます。

 さて、次に葬儀やお墓などの費用支払いを誰が行うのかという点についてです。この点、位牌やお墓などは相続財産となって、相続人(今回のケースではご相談者様の長女、次女、長男)が承継するということではなく、祭祀主宰者が承継するものとされています(民法897条1項)。そして、祭祀主宰者は、まず被相続人(今回の想定では離婚した元旦那様)の指定があれば、その指定された方となります。指定が無い場合は、慣習(簡単に言えば、親族の話し合い)をもとに祭祀主宰者を決定します。話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の指定によって決まります(民法897条2項)。
 したがって、この条文をもとに考えれば、離婚された元旦那様が祭祀主宰者を定めていれば、その方がお墓や位牌などの費用負担を行い、指定が無ければ親族間での話し合いをもとに、お墓や位牌などの費用負担を考えていくことになります。
 ところが、葬儀の費用負担については民法上に規定がなく、「離婚後、親が亡くなった場合の葬儀費用負担を誰が行うか」については、裁判例でも結果が分かれているのが実情です。
 葬儀の費用負担については民法897条をもとにして決まる祭祀主宰者ではなく、実際に葬儀を執り行った人である『実質的祭祀主宰者』が負担すべきであると判断する例もあれば(東京地判昭和61年1月28日判決)、これまで述べた、民法897条で決まる祭祀主宰者が負担すべきとする例もあります(最高裁平成元年7月18日判決)。これらの裁判例は、かなり限定された事例での判断なので、一般的に誰が負担するというのが言いづらい面があります。
 そのため、葬儀費用については、場合によっては負担する必要がある可能性がある点は頭の隅に置いていただければと思います。予期せぬ争いを避けたいということでしたら、なかなかセンシティブな内容ですが、別れた旦那様と親族も交えて、祭祀主宰者と費用負担を相談の上であらかじめ定めておき、万が一の時に備えることが求められていると思われます。

元記事

離婚した夫の葬儀費用は誰が負担するのでしょうか?

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