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「日本が北朝鮮にすり寄れば与太者国家の仲間入り」と落合氏

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 北朝鮮による拉致被害者問題は、日本側が北朝鮮から常にのらりくらりとかわされている印象を持つことだろう。外交巧みな彼の国により、安倍政権は騙されていると指摘する作家の落合信彦氏は、苛立ちを隠さない。

 * * *
 ことは、安倍政権が騙されて済む話ではない。いま日本が北朝鮮に近づくことは、日本が国際的に孤立するリスクを強く孕んでいるからだ。

 それには、中韓の接近という要素が絡んでくる。7月に朴槿恵と習近平が会談した際、どんな内容が話し合われたかは定かでない。だが徐々に状況を俯瞰してみれば、韓国からは米軍が徐々に撤退し始めており、その代わりに韓国が中国にすり寄っている現実が浮き彫りになる。
 
 実は米軍は日本からも撤退しつつあるのだが、日本はその現実にすら目を向けようとしない。
 
 東アジアにおける米軍のパワーが弱まり、中国の軍事的プレゼンスが増大するいま、この地域で起きようとしているのは、「米中による太平洋分割統治」の実現である。

 米中で環太平洋地域の区域を分けて分割統治するというこの無法な計画は、もとは人民解放軍が言い出したものだった。以前は、米太平洋軍総司令官が訪中した際、人民解放軍の幹部がぶち上げ失笑を買うなど、アメリカ側にとっては笑いの種でしかなかった。
 
 ところが、オバマ政権になって情勢はがらりと変わった。オバマはアジア地域の「リバランス」を掲げたが、それは日韓まで広げていた軍事力をハワイやグアムまで引き上げるということを意味した。それはすなわち、東アジアにおける中国の覇権を黙認するということだ。
 
 つまりオバマ政権は、「米中による太平洋分割統治」を事実上、受け入れようとしているのである。

 そこで韓国は、いち早く米国から中国との同盟に鞍替えしようとしているが、それはほんの100年ほど前の姿に戻るだけだ。問題は日本である。アメリカに見捨てられようとしている日本は、あろうことか北朝鮮に接近するという道を進み始めた。
 
 万が一日本に明確な戦略的ビジョンがあると仮定すると、日本は中国封じ込めという目的のためにアメリカと北朝鮮の橋渡し役を担う。北朝鮮はアメリカと交渉したくてたまらず、一方でアメリカにとっては、北朝鮮を手中に収めることで中国が太平洋に出て行く針路を塞ぐことができる。と同時に中国のノド元に”ドス”を突き付けることができる。これこそが中国のパワーポリティクスに対する「パワープレイ」だ。
 
 だが、パワープレイの意味も知らない日本の政治家や官僚がそうした戦略を描けているとは、とうてい考えられない。
 
 それどころかアメリカは、日本が北朝鮮に一部制裁解除したことを怒っている。アメリカはじめ国際社会は、北朝鮮の核実験やミサイル開発に制裁を加えたはずなのに、日本は焦点を拉致問題にすり替えて解除に踏み切ったからだ。このままいけば、日本は北朝鮮に近づく代わりにアメリカを失うという最悪の外交政策に突き進む可能性すらある。
 
 安倍政権が目先の支持率目当てに北朝鮮にすり寄れば、日本は北朝鮮と並ぶ与太者国家の仲間入りを果たすことになろう。安倍は北朝鮮と心中するつもりなのだろうか。

※SAPIO2014年12月号


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