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未来のトイレを読み解く3つの鍵

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トイレ先進国の日本では、家庭で尿検査が可能なものやスマホで操作できるものなど、様々な最新技術がトイレに搭載、実用化されている。とどまるところを知らないトイレの進化は一体どこに向かうのか。NPO法人日本トイレ研究所代表理事・加藤 篤さんに“未来のトイレ”について話を聞いたところ、「トイレの進化には、3つのキーワードがある」という。

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●リンや窒素を資源に!し尿を分別する“無水トイレ”

「1つ目は資源化。現在、日本で普及している水洗トイレは排泄物を下水処理して廃棄されますが、し尿に含まれるリンや窒素などの物質は大切な資源。特にリンは将来的に世界で枯渇するといわれている。し尿を回収する方向への進化が考えられます」

リンは、アメリカを始め、輸出を禁止・制限する国があるほど貴重なもの。肥料としての再利用化が重要となる。

現在のトイレに欠かせない“水”もまた、貴重な資源だ。そんななか、トイレ事業大手のLIXILでは、水を使わずに利用でき、資源を効率的に回収できる“無水トイレ”の研究をケニアで進めている。

「2025年、世界の人口は現在の約1.1倍となる80億人になるといわれています。今でさえ飲料水もままならない国が多くあるのに、これ以上人口が増えれば水資源ピンチ。LIXIL が開発を進めているのは、尿と便を分別できる無水トイレです。リンを含む尿を肥料にし、便はおがくずに混ぜれば良質の土を作る手助けになります」(LIXILグローバル環境インフラ研究室・北村総謁さん)

肥料と土を同時に生み出す、まさに一石二鳥のトイレだ。水資源が豊富な日本も他人ごとではない。

「震災時は下水の復旧にもっとも時間がかかります。東日本大震災でも、長い間水洗トイレが使えず、実際役に立ったのは、わずかに残っていた汲み取り式便所。日本でも必要になる可能性があるんですよ」(北村さん)

節水を超えた無水トイレに注目が集まる日も近いかもしれない。

●プライベート空間として多様化するトイレ

「未来のトイレ、2つ目のキーワードは“多様化”です。水洗化という先進的な水準をクリアした日本は、利用者の多様なニーズに対応して細分化していくはず。色や形などユニバーサルデザインに加え、好きな音楽が流れたりゲームができる、健康チェックができるトイレなど、幅広く変化し、選択できるようになっていくでしょう。トイレは生きるうえで必要不可欠というだけでなく、空間自体のクオリティが上がった今、“自分を取り戻し落ち着ける場所”という付加価値が生まれています」(加藤さん)

●2020年の東京五輪ではついにトイレが動き出す!?

そして、究極のプライベート空間は、さらなる可能性を秘めている、と加藤さん。

「3つ目はトイレの“ロボット化”。健康チェックができたり、エンターテインメント性を高めたりしたトイレは実用化され始めていますが、その進化はもっと進みます。たとえば今、尿検査ができるトイレは存在しますが、これに分子解析の技術が搭載できれば、便検査も可能に。実は腸内細菌はいまだ解析されていない部分も多い分野。実現されれば、人体に関する様々なことが解明されます。また、ロボット化としては、今後トイレ自体が動く可能性もありますよ」(加藤さん)

“動くトイレ”なんて、なんともSFチックな進化…!

「一口に“動く”と言っても、人型ロボットのように足が生えるのか、現存の仮設トイレがよりハイテクなものに進化するか、まだわかりません。しかし、来るべき2020年の東京五輪や、災害対策の観点から考えても、必要なときに必要な場所へ移動するトイレがあれば便利でしょう。今、商業施設のトイレが便利になっていますが、次は公衆トイレのあり方を変えるべきなのです。私たち利用者が『こんなトイレがほしい』と口に出すことが、進化を加速させるのですよ」(加藤さん)

未来の訪れが楽しみだ。
(大貫未来/清談社)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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