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自分自身のルールに縛られていませんか?

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 「いい人」と言われる人は周りの人から好かれる一方、「いい人」な故に損をすることも多い。他者からの期待にプレッシャーを感じつつ、それに応えるしかない。「いい人」であろうとするあまり、他人にNOと言えない。自分らしく生きられず、人生や人間関係やキャリアがそういった思い込みから破綻してしまうこともある。

 本書『もう「いい人」ぶるのはやめて楽になりなさい』(ジャキ・マーソン/著、月沢李歌子/翻訳、SBクリエイティブ/刊)では、「いい人の呪い」から解放される方法を、豊富なケーススタディと効果的なトレーニングと共に、心理カウンセラーのジャキ・マーソン氏が紹介する。

 人にはそれぞれ個人ルールがある。そのルールの中でも問題になるのは、無意識のなかにあるものだ。幼い頃、両親などから教え込まれたルールは大きな影響力を持っているのに、大人になった今もそれに従うべきなのかどうか、役に立つのかどうかを考えることはしない。そうしたルールは柔軟性を失い、認知行動療法の創始者であるアーロン・ベックが「硬直した個人ルール」と呼ぶものになっている可能性がある。

 例えば、腕を骨折したとき、「大げさに騒がない」というのが、ジャキ・マーソン氏の硬直した個人ルールだった。いとこの13歳の誕生日パーティーに、夫とともに出かけていったときのこと。ダンスの最中に勢いよく転んで腕を痛めたにもかかわらず、「大丈夫」と周囲の人々に言い、夫に代わって長距離運転し、激しい痛みで眠ることができないのに病院へ行こうともしない。痛みをこらえてボートを漕ぐことさえしたという。
 ようやく病院へ行って骨折が判明したときには、10日間も骨折を放っておいたことを驚かれてしまう。目立つ青いつり包帯をされたとき、やっと腕を使わずにいることが許された気になった。このつり包帯が「この人は腕を骨折しているんだから、手伝ってあげて」とかわりに訴えてくれるからだ。

 「自分は常にいい人でなければいけない」という思い込みが、自らを縛り、苦しめている。
 「大げさに騒がない」「どんなときも弱音を吐いてはいけない」という硬直した個人ルールを頑なに守っているせいだった。

 大切なことは内在化されたルールによって何を失ってきたかだけでなく、何を得られたかを考えること。やさしく、心の広い「いい人」でいられて、周りからも好かれているなら、それは行動による結果だと認識することが重要だと著者は述べる。しかし、その対価が疲労、憤り、怒りの抑圧、自己犠牲といった深刻なものになってしまうのであれば、身についた習慣から得られるものを諦める覚悟も必要となるのだ。

 他者の都合や期待に応じようとしてストレスを感じてしまう。NOと言うこともときには必要である。そして、個人ルールが今の自分に必要かどうか、よく考えて、場合によってはそのルールを自ら破ることも大切なことなのだろう。
(新刊JP編集部)


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