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店員のミスで値札よりも高価な時計を買えたが、返還義務はあるのか?

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Q.

 リサイクルショップでロレックスの時計が16万円で売っていました。偽物はおいてないと言うので、買いました。翌日、その店員が「ブルガリの時計と間違って売った」とブルガリの時計とロレックスの時計を交換したいと申し出てきました。
 ブルガリの時計は欲しくないので返品になると思います。そのロレックスの時計の売値は180万だそうです。
 正直、掘り出し物で、返品したくありません。返品義務はありますか?

(40代:女性)

A.

 まず、買い物のような契約は買い手からのこの商品を買いたいという「申し込み」と店側からの「承諾」という「意思表示」の合致によって成立するものとされています。
 そして、民法95条では、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない」という規定が設けられています。

 この規定は、契約内容に錯誤(簡単に言えば、勘違い)があった場合、その契約を成立させるのは公平ではないため、意思表示をした人を保護するために設けられたものです。
 錯誤は、契約上の重要な点に錯誤があることが必要だとされています。その内容は「合理的に判断して錯誤がなければ表意者が意思表示をしなかったであろうと認められる場合」とされています。

 今回、ご相談者様が遭遇したケースは、まさにお店側が「本当であれば180万円であり、値札のつけ間違えに気づけば16万円では売らなかったであろう」ことは容易に想像できます。とすれば、お店側が「錯誤であり時計の売買は無効だ」と主張することが考えられます。

 ただ、再度条文を確認していただきたいのですが、「表意者に重大な過失があったときは、表意者は自らその無効を主張することはできない」とあります。
 この規定は、勘違いがあったからと言って簡単に無効を主張されては安心して取引をできないため、重大な過失がある表意者の保護はしないというものです。
 重大な過失とは、簡単に言えば「些細な注意を怠った」ということです。お店側が値札をつけ間違えたこと。そして、商品を手渡す時に値段に対して相応の商品かどうかを照らし合わせることを怠ったのは、リサイクルショップとしては重大な過失と言えるでしょう。とすれば、お店側から錯誤による無効の主張はできないだろうとも思われます。
 したがって、民法に照らして考えれば、「お店側が錯誤無効の主張をしているけれども、その無効主張は許されない。結果的に、ロレックスは返却しなくてよい」と言えると思われます。

 ただ、これはあくまで法文上でのお話です。さすがに本来180万円するものを16万円で購入してしまい、お店側も翌日すぐに連絡しているなどの事情もあります。上記の内容を強硬に主張するのではなく、お店の責任者も交えてじっくり話し合い、場合によっては返品•返金も視野に入れて、妥当な解決点を模索するのが大人の対応なのではないでしょうか。

元記事

店員のミスで値札よりも高価な時計を買えたが、返還義務はあるのか?

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