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線路に一升瓶を置くと犯罪?

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線路に一升瓶を置くと犯罪?

 報道によれば、警視庁は、線路上に一升瓶を置いて電車を緊急停車させたなどとして、56歳の男を威力業務妨害容疑で逮捕したとのことです。警視庁の発表によると、男は10月24日に東京都世田谷区松原の京王線明大前―下高井戸間の踏切内の線路上に一升瓶1本を置き、電車を約8分間停止させて運行を遅らせた疑いがもたれています。線路上に一升瓶を置いてなぜ威力業務妨害罪になるのでしょうか?今回は業務妨害罪についてみていきたいと思います。

 業務妨害罪とは社会活動の自由を守るために規定されている罪で、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて業務を妨害すると偽計業務妨害罪(刑法233条後段)、威力を用いて人の業務を妨害すると威力業務妨害罪(刑法234条)により処罰され、いずれも3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される場合があります。

 一般に、「偽計」とは人を騙したり、誘惑したり、あるいは人の勘違い等を利用することをいい、「威力」とは恐れで正常な判断をできなくなっている状態を利用することをいいます。偽計業務妨害罪になるか威力業務妨害罪になるかの判断については、上記に加え、犯行が目に見える状態で行われたか、目に見えない状態で行われたかにより区別されることが多いと言われています。
 最近の事例としては、インターネットの掲示板に、駅構内で無差別殺人を行うという虚偽の犯罪予告が書き込まれ、閲覧した人の通報によって警察官が出動した事件について威力業務妨害罪が適用されています(東京高判平成21年3月12日)。書き込みが大勢の目に触れる状態で行われたことから「威力」と判断されたのでしょう。今回の事件については、一升瓶が目に見える状態で置かれていることから威力業務妨害罪の適用が考えられているのだと思われます。

 現在は業務妨害罪の容疑との発表ですが、線路に物を置いて電車の往来の危険を生じさせた場合は「列車往来危険罪」という犯罪が成立する場合があります(刑法125条1項)。列車往来危険罪が成立した場合、2年以上の有期懲役という重い刑罰が科されることになっています。また、新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法という特別法においても、線路に物を置く行為を行なった者について1年以下の懲役又は5万円以下の罰金を科せることになっています。このように、電車の往来を妨害する行為は、多くの人々の生命や財産を奪うという重大な危険を引き起こしかねないため、多くの法律によって厳重に規制されています。

 今回の容疑者は、今年の8月以降数回にわたり同じ行為を行なっている疑いがもたれています。その理由については「幸せな人を見ると妨害したい気持ちになった」からとのことで、そんな理由で?!と開いた口が塞がらないとはこのようなことをいうのではないでしょうか。

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