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自分好みの家を求めて、ハーフビルドの住まいづくり

自分好みの家を求めて、ハーフビルドの住まいづくり(画像提供:寺田美奈子さん)

住まいに「自分好み」「自分らしさ」を求める人々が増えている中、中古住宅を購入してリノベーションをする人、賃貸でも自分の過ごしたい空間を求めてDIYをする人が増え、徐々にそれが浸透してきている。一戸建て住宅でも、自分でできるところは自分でつくる、ハーフビルドで家を建てる人々もいるようだ。市内のマンションか? 実家の建て替えか、もしくは田舎暮らしか?

「ハーフビルドで家を建てました。」お話を伺ったのは福岡県糸島市に住む、寺田さんご夫妻。今年で10年になる住宅は床や壁、天井のパイン材の風合いが変わり、とても良い色になっている。ハーフビルドで建てた家のご紹介をしていただく前に、まずはなぜ住宅を購入するに至ったのかを伺った。

「元々は福岡市内の公団住宅に住んでいました。夫婦ともに勤めていたので、少しでも都心に住んでいたかったんです。賃貸でしたが周辺環境が良く、横には川が流れ、高層階だったので目の前には山がひろがり景色が素敵だった。部屋も2LDK、バルコニーも広くて。購入したいと思える素敵な物件でした」

糸島に家を建てたきっかけは、亡くなった両親の家をどうするか?という問題が生じたこと。当初、実家を建て替えるか福岡市内でマンションを購入することを考えていたとか。でもそんな時、たまたま友人が糸島に広い土地を購入したから見に行こうと誘われ、ここの土地を見ることになったそうだ。

「土地を見て、そしてふとこれからの生活について考えました。都会の真ん中にいて、これからリタイアしたら山ほどの時間が出来る。そうなったときにどう生活するんだろう。庭がある一戸建てに住んで、その庭をつくりこんだりして、退屈することにはならないよね、と。そこで土地を購入して家を建てることにしました」

土地購入を決めてからは住宅展示場に行ったり、雑誌でたくさんの情報を収集していたが、なかなか自分たちの思い描いた住宅が見つからなかった。そんな中、たまたまインターネットで見つけた「ハーフビルド(半分手づくり)」という言葉と北欧の田舎にありそうなたたずまいの家に惹かれ、福岡にあるキットハウスというハウスメーカーの家づくりセミナーに参加した。その帰り道に自分たちでハーフビルドをやってみようと決心した。ほぼ1年、毎日休まず作業……苦労の末に手に入れた理想の家

どんな家に暮らしたいかを考えているときに、図書館で借りた本の中から一枚の写真を見つけた。 ニュージーランドの素敵な家、居心地の良さそうなベランダの写真だった。「ゆったりとしたソファに座って本を読めたらいいなぁ」という想いから、このベランダをベースに設計を始めたそうだ。

【画像1】理想の住宅写真(左)と今の住宅(右)。1枚の写真から暮らしを想像して住まいづくりを始めた(画像提供:寺田美奈子さん)

【画像1】理想の住宅写真(左)と今の住宅(右)。1枚の写真から暮らしを想像して住まいづくりを始めた(画像提供:寺田美奈子さん)

基礎が出来てから、ご夫婦2人での家づくりが始まった。地元、糸島の大工さんに工具の使い方、釘の打ち方まで一から教わりながら、平日は美奈子さんが朝から夕方まで、週末は夫婦2人で一日中作業をし、寺田さんがリタイアしてからは2人で毎日作業をしたとのこと。

「元々は在来工法で家を建てる大工さんだったのですが、私たちの住宅は2×4(ツーバイフォー)だったので、本を読んで勉強をしながら進めてくれました。最初は素人が家づくりなんて……という感じでしたが、毎日一緒に作業をしているうちに徐々にアドバイスをしてくれるようになりました。今でも何かあるごとに相談しています」

2003年7月に地鎮祭を行い、基礎・水まわり・屋根は大工さんが、あとは教わりながら一緒に作業をし、2階の一部屋だけ完成させて、とりあえず生活できる環境を整えてから翌年の1月3日に入居。未完成の家に住みながらの家づくりだった。

「石膏ボードとか2人で協力して貼れば良いけれど、ゆっくり作業していると終わらない。だからそれぞれ持ち場をつくって別々に作業。冬の寒い時期だったから、あかぎれやひび割れ、霜焼け……と辛い作業がずっと続きました。高いところは大工さんにお願いしながら、自分たちのできる範囲は夜遅くまで頑張りました。
床、壁、天井をそれぞれ1カ月くらいで完成させましたが、床は這いつくばっての作業、それが大変だった。きっと天井は立ったままで作業できるし楽なんじゃないか? なんて思っていたけれどそんなことはない。上を向いての作業もとにかく大変だった。無垢の床板をまっすぐピシっと貼るのが大変なんです。僕がまっすぐに直して、「今だ!」の掛け声で妻がエアガンで固定しながら進めました」

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