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人口130万人 エストニアから税理士や会計士が消滅した理由

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 安倍晋三政権は地方を活性化させる「地方創生」を重要政策に掲げているが、バラ撒(ま)きに終わることが目に見えていると大前研一氏は言う。地方を創生するための最新例を研究するため、研修旅行でバルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)とベラルーシを視察してきた大前氏が、エストニアの「eガバメント(電子政府)」について解説する。

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 エストニアはバルト3国の中で国土面積も人口も最も小さいが、それゆえに国家としては一番まとまりがよく、しっかりしている。1人当たりGDPは3か国中トップの約1万9000ドルで、政府の財政収支や債務残高のGDP比も“最優等生”だ。

 そして、とくにエストニアが有名なのは「eガバメント(電子政府)」である。各行政機関がバラバラに持っていたデータベース(DB)を連携させる「X-road」というシステムをインターネット上に構築し、今日、世界で最も進んだ国民DBを確立しているのだ。国民はICチップの入ったIDカード(身分証明書)を所持することで(所持率は約90%)、その国民DBからすべての行政サービスを受けられる。

 さらに今では、国民IDのチップを格納したSIMカード入りのスマートフォンで、eガバメントポータルへのログインや電子文書への署名も可能になっている。スマホさえあれば、選挙の投票も、世界中どこにいても1週間前からできてしまうのだ。

 実は隣国ラトビアも、eガバメントを構築しているという触れ込みだったので訪問した際に詳しく見てきたが、こちらは日本と同じように省庁別、地方自治体別のシステムになっていて、構想段階からエストニアとは雲泥の差があった。

 エストニアの国民DBは、私のDB構想をさらに発展させたような形で、なんと銀行口座の取引まで国が全部把握している。これは私の発想にはなかった。

 したがって、銀行口座側から家計簿が自動的に組み立てられるので、税金は自動計算となる。企業も個人も納税申告をする必要がない。だから税理士や会計士が不要になり、それらの職業はエストニアでは消滅したというのである。政府の担当者は「人口130万人の小国では、そうやって不要な職業を削っていかないと国家の発展ができない」と説明していた。

※週刊ポスト2014年11月7日号


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