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PIERROT、復活ライヴ第二夜で魅せた“奇跡”

10月25日、解散から実に8年ぶりとなるPIERROTの復活ライヴが第二夜を迎えた。

10月25日@さいたまスーパーアリーナ (okmusic UP's)

『DICTATORS CIRCUS FINAL -BIRTHDAY-』と銘打たれたこの公演の幕開けを飾っていたのは、「HEAVEN」。ステージを覆い隠すように並んだLEDスクリーンが、羽根が舞い散るモノクロームの映像を漂わせながらゆっくりと上昇していくと、黒を基調とした装いのメンバーたちの中央には、赤一色に身を包んだキリトの姿が。前夜の白いスーツとは対照的なそのいでたちに、ふたつの夜が趣をまるで異にするものになることを予感した観客も少なくなかったことだろう。

結論を急ぐわけではないが、ふたつの夜は実際、異なったものだった。が、本質的には同じだったともいえる。ただ、とにかく両公演を目撃した誰もが感じたはずなのは、PIERROTは8年間のブランクを挟んだ現在もやはりPIERROTであり、誰もこのバンドの代わりにはなり得ないということだろう。

会場となったさいたまスーパーアリーナには、前夜、1万5,000人のファンが詰めかけたが、この第二夜の動員はそれを遥かに超え、満員の1万8,000人が詰めかけた会場は、スタンド席の頂上に至るまでが人、人、人で埋め尽くされていた。そしてステージ上の5人は、アンコールを含めて全25曲という、前夜と同じ曲数(とはいえ、第一夜には披露されなかった楽曲が15曲も含まれていたが)を演奏することになっていた。が、キリト自身が二度と歌う機会が訪れることはないものと思っていたという「CHILD」をもってすべてのプログラムが終了し、個々のメンバーが客席に別れを告げた直後に事件は起こった。彼らがステージから立ち去ろうとするのを喰い止めようとするかのように、突如、再度のアンコールを求める拍手と歓声が巻き起こったのだ。

完全に想定外の事態に、ステージ中央で輪になって話し合うメンバーたち。そしてキリトは「こういうのは久しぶりなんで、ガチで戸惑ったんですけど」と笑みを見せ、「求めるからには中途半端な暴れ方では許さない。狂って暴れて終わりましょう!」と言い放ち、次の瞬間、「蜘蛛の意図」が炸裂した。開演からそれまでの時間経過のなかで、この夜のライヴは幾度もクライマックスを迎えていたが、残されたエネルギーを惜しみなく使い切ろうとするバンドとオーディエンスの双方が完全に一体になったその場面こそが、この夜の本当の意味での絶頂だったといえる。

もちろん印象的な場面は随所にちりばめられていたし、第一夜での好演を経ていただけに、演奏ぶり自体も前夜以上に自然体に近いものに感じられた。本編後半の「MAD SKY-鋼鉄の救世主-」のイントロ部分で、KOHTAのベースの音が出ないというアクシデント発生には見舞われたものの(断じて言うが、あれは彼のミスではなくトラブルである)、成熟したプレイヤーたちによる演奏は安定感とスリリングな鋭利さを兼ね備えたものだったし、キリトのステージ運びには、持ち前の煽動力の強さに加え、オーディエンスを包み込むような包容力も感じられた。

そして同時に、ピエラーたちも確実に成長している。PIERROTと彼らのファンは、ライヴにおける一体感のあり方という意味において、いわば発明に近いことを重ねてきたといえるのかもしれない。たとえば“折り畳みヘドバン”と呼ばれるものを筆者が初めて目撃したのもPIERROTのライヴだったように思う。会場全体に振り付けが伝染する光景についても、彼らのライヴで目にしてきたものほどシンクロ率の高いものを、他の場で見たことはない。そうした光景について、一部において“あまりにもV系的過ぎて、無関係な人たちが引いてしまう類いのもの”として見られてきたのもまた事実だろう。が、8年の空白を経ながら自然に同じアクションをしてしまうというのは、それがすでにファンにとっての“第二の天性”とでもいうべきものになっている証拠ではないだろうか。つまり、メンバーたちが往年の楽曲を“カラダでおぼえている”のと同じことなのだ。

そんなオーディエンスに向け、キリトはこのライヴの終盤、ひとつだけ願いごとを口にした。

「お願いがあります。この感覚を噛み締めて、どうか明日からは“今”を生きてください。俺たちも、大切な“帰るべき今”に帰ります。とにかく目の前にある“今”を抱きしめて、生きていきましょう」

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