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議論沸騰。日本の電柱が地中に埋まる、そのデメリットとは

日本を代表するおしゃれストリート・表参道ももちろん、無電柱化されている。街灯のデザインもスタイリッシュ(写真撮影:嘉屋恭子)

7月に筆者が取り上げた電線地中化の記事(http://suumo.jp/journal/2014/07/01/65197/)。その後、無電柱化民間プロジェクトが発足し、今年秋には無電柱化法案が国会に提出される予定などの話題性もあり、大きな反響が寄せられた。その中には「デメリットもある」という声も散見された。今回は、無電柱中化のデメリットの真偽について、ギモンをぶつけてみた。コストがかかる? 災害の多い日本に無電柱化は向いていない?

無電柱化のメリットについては前回詳しく述べたが、大きくまとめれば1.景観の向上、2.安全で快適な歩行空間の確保、3.都市防災力の強化、の3つだ。その一方で、前回の記事が掲載されたコメント欄には「コストがかかり過ぎる」といった意見から「電柱がなくなったら暴走車をだれが止めるんだ!」等のユニークなものまで並んでいた。

確かにメリットがあれば、何かしらの弱点や難点があるのは、この世の常。そこで無電柱化のデメリットについて、東京都 建設局道路管理部 安全施設課に話を伺った。まずは多くの人が言及していたコスト面。一説によると電柱を建てる方式と電線地中化とでは、10倍もの差があるというのだが、本当だろうか。

「確かに電線地中化は、電柱を建てるのと比較したら、費用がかさむのは事実です。何しろ道路を掘り返して進める事業なので、手間もかかります。ですが、比較して10倍とまでは言い切れません。というのも、各々の道路で上下水道やガス管などの埋設物の状況により移設方法の費用の差が大きいため、一概に何倍と比較できないんです」(東京都の担当者)

なるほど、確かに電線地中化の建設コストが高いのは、事実のようだ。では、次に多く出ていた「災害の多い日本には向かない」というのは、どうなのか。

「逆だと思っています。電線、電柱の乱立する状態では、突風や台風で断線や倒壊の危険があります。昨今はゲリラ豪雨、竜巻などの風水害が東京や首都圏でも多発していますが、無電柱化を進めることで、電柱の倒壊や電線の断線トラブルをなくすことができます。
地中に埋められた設備は耐水性があるため、水に浸かっても大丈夫。無電柱化により、風水害の防災力も高まるんです」とのこと。

確かに地上から電線・電柱がなくなってしまえば、風水害の影響は受けにくいというのは、納得だ。毎年、夏から秋にかけて台風が上陸する日本では、断線しにくくなることはとても重要なことだろう。メンテナンスしにくい&復旧に時間がかかるのでは?

では、電線地中化に伴う設備の保守・メンテナンスなどでデメリットはないのだろうか。コメント欄にも「メンテナンスがしにくいのでは?」「地震などで損傷した場合、復旧に時間がかかるのでは」といった声があった。

東京都の担当者によると、電線を地中化したあとの機器およびケーブルの管理・修繕は、各電力・通信会社で行うということで、詳細に関しては各会社に確認していただきたいと前置きしつつも、「架線している状態と比較したら、地中化すると簡単になるんじゃないでしょうか。もちろん、空中に電線があれば、断線している箇所は目視でき、ひと目で分かるというメリットもあると思いますが、一方で、点検・復旧業務は、高所作業車を配置して、車道を止めて作業するのでガードマンを用意して……とどうしても大掛かりになります。電線が地中化されていれば、歩道にあるフタをあけて地下へ潜って作業が行えます。もちろん歩行者の安全には留意しなくてはいけませんが、簡略化できると思います」と解説してくれた。

さらには、地震への備えはどうだろう。印象としては地中に電線があり、断線してしまうとかなり復旧に時間はかかりそうだが。

「東日本大震災の際、これは東京以外ですが、地上にある機器が若干傾いたということがあったようですが、電線地中化されたエリアでの大きな断線の被害はなかったようです。この機器内で電線を繋いでいるのですが、衝撃で断線しないように電線はゆとりを持った長さで繋いでいるため、傾いても断線がないように対策してあります」とのこと。

やはりそこは地震大国、きちんと対策をしてあるようだ。ただし、やはり一度、断線してしまうと復旧に時間がかかるのは事実のよう。そのため、できるだけ断線しにくい対策がとられているようだ。

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