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泥まみれの来訪神が災厄を祓う奇祭、宮古島”パーントゥ”の由来

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 泥だらけの仮面をかぶった異形の者から、泥を塗りつけられて泣き叫ぶ子供たち。執拗に追いかけられて悲鳴をあげながら逃げまどう人々。例年、この時期に大騒ぎになっている宮古島の奇祭”パーントゥ”の様子ですが、テレビや動画で、一度は目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 宮古島のパーントゥは、秋田県男鹿半島の”なまはげ”と同様、国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統行事です。本書『ニッポンありゃまあお祭り紀行 秋冬編』によれば、パーントゥとは、鬼神・怪物を意味する言葉。その昔、宮古島に異形の仮面が流れ着き、神女が「これは来訪神であり、豊作の印」と託宣を行ったことから、今のように初秋に若者たちが仮面をかぶり、3体のパーントゥに扮して、泥を塗りつけて回る行事になりました。パーントゥに泥を塗られると悪鬼が去ると伝わっており、地元の人々は、泥だらけにされても笑顔で感謝するそうです。

 また、その泥はただの泥でなく、神聖な古井戸の底の腐敗した底泥で、昔は洗っても10日間も匂いが取れなかったのだとか。つる草の「シイノキカズラ」で体を覆い、この泥を全身からポタポタしたたらせながら追いかけてくるというのですから、その迫力たるや、想像を絶するものがあります。本書の著者の椎名誠さんも、鼻が曲がりそうな異臭に逃げまどい、カメラを守るのに精いっぱいで、パーントゥを近距離で正面から撮影するのに失敗したと明かしています。

 しかし近年、この行事の趣旨を理解しないままパーントゥに遭遇した観光客から「服を汚された」などと苦情が寄せられ、地元の人々も対応に苦慮しているそうです。観光客のクレームを受けて、一時は中止も検討されたそうですが、行事の趣旨を理解していない人の批判で、伝統を途絶えさせてしまうのはおかしな話。たとえ観光客でも、参加するのであれば、行事の歴史的・文化的な背景を理解する必要があるのではないでしょうか。

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