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特養口利き疑惑塩崎大臣 メール不正アクセス主張は国の危機

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 さる10月15日の衆議院厚生労働委員会で、塩崎恭久厚労相は本誌前号でスクープした地元老人ホーム事業者への口利き疑惑を追及されると、「記憶にない」「秘書がやった」──この2つの言葉を繰り出して疑惑の核心から逃げた。

「スタッフや家族との私信のメールを不正な手段で入手され、週刊誌に売られた。『週刊ポスト』が手にした」

 塩崎氏は国会の場でそんな弁を弄し、まるで政治謀略に嵌められたかのように述べた。

 断わっておくが、本誌・週刊ポストは疑惑の決定的な証拠である「メール」を買ってもいないし、謀略に加担してもいない。

 疑惑を改めて整理すると、塩崎氏の地元・愛媛県松山市で10月、市の補助金事業で特別養護老人ホームがオープンする予定だったが、スタッフ不足のため、市から開設許可が下りなかった。困った特養を運営する社会福祉法人の理事長は地元市議に「陳情書」を送付。規模を縮小しての「部分開設」が認められるように力添えがほしいと訴えた。

 そこで動いたのが地元市議から相談を受けた塩崎事務所の秘書。すぐに厚労省の担当者と面会したのである。前出の「メール」とは秘書が塩崎氏にその経緯を報告したものだ。その後、市の方針は覆り、部分開設が認められる方向だ。

 厚労委員会では、民主党の大西健介代議士が本誌報道をもとに塩崎氏を追及した。

大西:「大臣は昨日の本会議で、“秘書の軽率な行動”と述べた。謝罪するか」

塩崎:「秘書が特養の部分開設が可能かどうか法令解釈を厚労省に問い合わせた。日々の議員事務所の活動のひとつ。厚労省から松山市へ連絡があっては誤解を招くため、私が止めた。(秘書の)教育不行き届きで申し訳ないと思います」

 さらに答弁では、別の重大な問題も明らかになった。騒動の発端となったメールについて、塩崎氏は「不正アクセスをされて盗られたもの」と主張した。

 本誌取材に対し、塩崎事務所の代理人である弁護士の塩崎彰久氏(塩崎大臣の長男)も「サーバーの管理業者に問い合わせたところ、ハッキングの可能性が非常に高い。犯罪行為だ。法的措置を検討中」と述べた。

 厚労委員会でセキュリティ面の甘さを長妻昭代議士(民主党)に指摘された塩崎氏は「ご心配ありがとうございます」と笑顔を見せた。何か勘違いしているのではないか。塩崎氏のプライベートなメールの流出を“心配”しているわけではない。

 一国の大臣が秘書とやり取りしているメールサーバーがハッキングされたということは、国家機密に触れる情報や国民生活に関わる情報が漏洩している可能性がある。

 塩崎事務所は一刻も早く警察に相談して不正アクセスの経緯を調べ、どういう情報が流出したのか、被害の詳細を国会の場で報告すべきだ。それとも警察に迅速に相談できない理由があるのだろうか。

 単なる「法令解釈の問い合わせ」と嘘をつき、証拠となるメールの公開から逃げ回る──塩崎氏は責任逃れの口上を学ぶのではなく、そんな姿勢が長い間国民の政治不信を招いてきたことをこそ知るべきだ。

※週刊ポスト2014年10月31日号


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