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宮崎駿監督iPadについて「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」と語る

宮崎駿監督iPadについて「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」と語る

今回は佐々木康彦さんのブログ『平凡でもフルーツでもなく、、、』からご寄稿いただきました。

宮崎駿監督iPadについて「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」と語る
佐々木俊尚さんのつぶやきでスタジオジブリが発行している「熱風」という小冊子の7月号がiPadの特集をしていて掲載されている宮崎駿監督のインタビュー記事が強烈とのことだったので入手してみました。

この原稿は編集部が行ったインタビューをもとに宮崎監督が、質問を含め、あらたに書き起こしたとのことで、全体としてiナントカについて批判的な意見の連続なわけですが、ただこちらの文章、ここで宮崎監督がiPadの事を理解していないとかそういう事ではなく、この質問内容に対して宮崎監督ならまさにこう答えるだろう…と思うものばかりです。

英語の読み書きや、楽譜の読み書きを覚える事について、それが幼いころに行った訓練で身についている人からみると、さまざまな教材に手を出しながら相当な出費を繰り返しているのに、本質的な訓練を怠っている例が沢山あり、

例えばiPadにもTabToolkitなる楽譜ビューワーと呼ばれる素晴らしいソフトがあるのですが、これを楽譜が読める人から見ると、こういうのにお金使うなら、楽譜を読む本質的な努力すればいいのに…とうちの家人が鋭い指摘をしておりまして、まさに自分のようなタイプの人間にとっては耳の痛い指摘でした。

今日のエントリはテクノロジの進化がもたらしてくれる恩恵を否定する訳ではなく、やはりその利用方法が重要だということを振り返りたいと思って書き始めた訳ですが、自分の恥ずかしいところとして、どうしてもこういう「モノ」があることをひけらかしてしまう傾向がゼロではないという点が、いつも自分にとって後ろめたい気持ちを残してしまうところがあります…

これはもう小学校のときに、新しい玩具(おもちゃ)を教室に持ち込むと、一時的に人が自分の周りによってきてくれるのを、なんとなく自分が好かれているような錯覚に陥ってしまい、友人とのコミュニケーションの方法を取り違えてしまった事や、楽器演奏についても本質的な努力を積み重ねずに、機械的な処理に頼ってしまうことで結果として自分の成長を自分が妨げていた…とかこういう傾向で自分が反省と注意をしないと同じ失敗を繰り返しそうなリスクを抱えているのは自分自身でも気がついています。

iPadなりiPhoneがもたらす新しいユーザエクスペリエンスなり、アプリケーションを活用した業務効率を高める事は確実にあって、それらを否定する必要は何らありませんが、この手のツールを手に入れることで宮崎監督のいう「全能感」を感じることというのは、やはり一種の勘違いを含んでおり、あまり良い結果はもたらさないと思います。

自分はもっとちゃんと勉強なり、楽器への取り組みをしていればまた別な人生の歩み方があっただろうな…と思う事が最近とても多いのですが、逆にネットという得体の知れない新しいものに飛びついたからこそ、今の自分があるというループの中で思考がフィードバック、ハウリング起こしそうになってしまうのですが、iPadに限らず、これからも新しい情報ツールを提案していく立場として、自分の提案妥当性を冷静に考え直してみるという意味でも、宮崎監督がわざわざ書き起こした原稿をよみなおしておくべきとまずは考えたのでした。

宮崎監督は「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」というスタンスであり、インタビュアーが手にするiPadについてこんな指摘をしています。
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あなたが手にしている、そのゲーム機のようなものと、妙な手つきでさすっている仕草は気色わるいだけで、ぼくには何の感心も感動もありません。嫌悪感ならあります。その内に電車の中でその妙な手つきで自慰行為のようにさすっている人間が増えるんでしょうね。電車の中がマンガを読む人間だらけだった時も、ケイタイだらけになった時も、ウンザリして来ました。
*****
『熱風』2010年7号 スタジオジブリ出版部 より引用
http://www.ghibli.jp/shuppan/np.html

「資料探しの道具として使いこなせば良いのでは?という質問の流れで、時間をいただけるなら、文献を調べて取り寄せることもiPadで出来ます」というインタビュアーの言葉に対して、

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