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招聘した外国人医師が日本人患者を診療できないのはナゼか

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「岩盤規制」が数多く残されている領域のひとつが「医療」である。厚労省、医師会、医療機関、製薬会社など様々な利権が複雑に絡みあうため、改革は容易ではない。しかし今、国家戦略特区法の枠組みを利用し、岩盤を打破するための試みが始まっている。政策工房社長の原英史氏が解説する。

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 我が国では、保険診療と保険外診療の併用(混合診療)が原則として禁止され、病床の新設・増設には、都道府県知事の許可が必要だが、昨年成立した国家戦略特区法では、「保険外併用療法」「病床規制」については特区内では特例的に緩やかな運用が認められることになっている。
 
 かつて政府の規制改革会議などの専門委員として活躍し、現在は、順天堂大学客員教授を務めるほか、医療法人社団滉志会代表として、免疫細胞治療を専門とする瀬田クリニックを率いる阿曽沼元博氏は、今年春に「東京圏」(東京都の一部・神奈川県・成田市)が特区の一つとして指定されたことを受け、特例をフル活用するつもりだ。
 
 ただ、特区制度を活用しても、現状では解決しきれない問題もある。
 
 同クリニックでは、国内の大学のほか、海外の研究機関と連携しての臨床研究も行なう。しかし、そうした海外機関の医師を国内の臨床研究に招こうとしても、現行制度では難しい。外国医師(外国で医師資格を取得している医師)の国内での診療は、例外的に「臨床修練制度」で認められている。
 
 だが、受け入れには様々な要件がある。例えば受け入れ機関は大学病院などに限定され、阿曽沼氏の運営するクリニックでは制度活用は難しい。
 
 もうひとつの例外は「二国間協定」に基づいて、相互に外国医師の診療を認めるケース。これまでイギリス・アメリカ・フランス・シンガポールの4か国と協定が結ばれ、例えばイギリス医師は7名(実際には4名来日)といった枠が設定されている。
 
 しかし、「イギリス医師はイギリス人の患者しか診ることができない」といった制約=オチがついている。
 
 特区内では特例的に、他国の外国人患者もみることができるようになったが、それでも日本人患者を診ることはできない。日本人患者が希望していてもダメというから、いかにも窮屈な仕組みである。
 
 グローバル化が進む中で、医療の世界でももっと世界の優れた人材を取り込む仕組みが検討されてしかるべきだ。

※SAPIO2014年11月号


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