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「イスラム国」志願兵事件で家宅捜索 行き過ぎた権力暴走

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 中東で勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘に加わるためシリアに渡ろうとした北海道大学の男子学生(26)が、10月6日に私戦予備・陰謀の疑いで警視庁公安部に事情聴取された。私戦予備・陰謀の疑いとは、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で準備や陰謀をする罪で、3か月以上5年以下の禁錮に処せられる。

 欧米のジャーナリストを斬首し注目を集める組織に日本人が入ろうとしたことが驚きをもって受け止められたが、大メディアは重要な点を指摘していない。

 警視庁は学生の渡航を手助けしようとしたとしてイスラム法学者の中田考・同志社大学元教授とジャーナリスト・常岡浩介氏の事務所を家宅捜索した。

「取材資料やパソコン、携帯電話などを一式持って行かれました。何のデータも入っていないことがわかる新調したばかりのカメラまで押収された」(常岡氏)

 両氏はシリアに入国しISと接触した経験を持つが、問題の学生と接点があったというだけで研究者・ジャーナリストへの家宅捜索を行なうなど、明らかに行き過ぎた権力の暴走だ。これではISに深く入り込んだ研究や取材を行なうことなど不可能になる。

 テロリズムは許されないが、今回のケースは「テロとの戦い」を口実に国家権力が、「面倒を起こすかもしれない都合の悪い研究者やジャーナリスト」に脅しをかけ、言論・報道の自由を踏みにじった暴挙に他ならない。また、そうした問題を指摘しない新聞・テレビが、当局の意向に付き従う「御用メディア」であることも改めてよくわかった。

※週刊ポスト2014年10月24日号


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