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元フジアナの近藤サト 古都伝えるナレーションに最高級評価

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 テレビの楽しみは、何も評判作の鑑賞ばかりではない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が最近“発見”した“密かな楽しみ”とは--。

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 史上初、外国人のヒロイン。大注目の中で始まったNHK朝ドラ「マッサン」。ヒロイン・エリーを演じるシャーロット。素直な人柄は透けて見えてきます。が、演技力はまだ未知数。これからどんなエリーを見せてくれるのか、楽しみです。一方、その夫・マッサン役、玉山鉄二の演技はすでにはじけています。勢い。バネ。躍動感。すっきりとした透明感もある。夫婦ともに「演じる」ことに向かう正直な姿勢、好感が持てます。

 そして、寿屋・サントリーがモデルとなった鴨居商店の社長・鴨居欣次郎役には、堤真一。マッサンと鴨居。広島弁と大阪弁、二人の丁々発止、かけあいのシーンは絶妙。匂いと味わい、リズム感。まずは安心してドラマの世界を楽しめそうです。

 と、順調に滑り出した朝ドラですが、開始直後、意外な点をめぐって視聴者から賛否の声があがりました。

 エリーの故郷、スコットランドでの回想シーン。エリーと家族とは当然ながら英語で会話。その画面が字幕ではなく、声優による吹き替えになっていた。そのエリーの吹き替えの声に、「不自然」「合わない」「違和感あり」といった指摘が視聴者から次々にあがったのです。

 NHKにしてみれば、忙しい朝の時間帯、画面を見ていられる視聴者ばかりではないと配慮した上での「吹き替え」だとか。しかし、たしかにエリーの声とは明らかに違う声がいきなり被さるというのも、何とも不自然な感じでした。

 その善し悪しはさておき、ドラマにおいて「声」というものがこれほど話題になる、ということが興味深い。

 NHK朝ドラといえばナレーションも視聴者の大きな関心事です。前作「花子とアン」では、美輪明宏のナレーションが賛否を呼びましたし、前々作「ごちそうさん」では、ぬか床の精・吉行和子のナレーションが話題になりました。

 ドラマの筋や役者ももちろん大切ですが、「声」の響きは人の感覚に影響を与えたり、さまざまな効果を発揮したり。「声」の響きから、意味以外のたくさんのことを視聴者は受け取っている、という証でしょう。

 そこで一つ、前々から気になっていたテレビの中の「声」について。ぜひとも紹介したい、「響き」があります。

 BSフジ「古寺名刹 こころの百景」(金曜日19時)。ちょっと地味な番組なので、あまり知られていないかもしれませんが、映像に重なっていくナレーションが、実に心地よいのです。

 落ち着きと深み。アルトの声がしっとりと響きわたる。余韻が残る。自己主張しすぎず、控えめながら、どこか聞き覚えのある耳に馴染む声。その声色が、私の記憶を揺さぶる。即座には思い浮かばない。その、一歩引いた感じがまたいい。一拍おいて、あっそうだ、この声は……と、思い出す。

 ナレーション担当は、元フジテレビアナウンサーの近藤サト。

 声にハンサムウーマンというのがあるかどうかわかりませんが、まさしくそう呼びたい、凛とした美しさ。名刹を美しい映像で紹介していく番組です。寺院や仏像、各地の風土。長い時の地層を持つ歴史的対象について伝える時は、声とはこうあってほしい。大人の番組のお手本そのもの。

 残念ながら番組は9月で終了し10月から改編され、古都、京都・奈良を巡る新しい旅番組「古都浪漫こころ寺巡り」(土曜21時~)に変わりました。でも、よかった! ナレーションは相変わらず、近藤さんが担当するようです。

 映像と声。テレビと響き。両者の深い関係について考える、きっかけになりました。耳を澄ます、という密かな楽しみが、これからも続きそうです。


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