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「英語、小5から教科に」実施年齢は適切か?

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アジアトップクラスの英語力育成を目指す

「『アジアトップクラスの英語力育成』を目指し、小学5年生から英語を正式な教科とする」。これは9月26日に開かれた、英語教育の改善策について検討している文部科学省の有識者会議で挙がった内容です。今後は、文科相の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)に近く諮問される次期学習指導要領の改訂論議の中で、小学校英語の授業時間数などが具体的に検討され、2018年度からの部分的実施を目指す方向です。

小学5年生からは英語を正式教科として導入するため、現在、小学5年生で始めている教科外の「外国語活動」を小学3年生から始めるよう提言されています。教科の目標例として「初歩的な英語を聞いて話し手の意向を理解できるようにする」「アルファベットを書くことに慣れ親しむ」などを挙げています。

「英語嫌い」を早期につくってしまう可能性が懸念される

現在、実施されている「外国語活動」の目的は、コミュニケーションへの態度の育成です。これが教科になると、英語の知識やコミュニケーション能力を育成することが目的となります。そのために検定教科書が使用されるとともに、数値による評定、つまり、成績がつけられることになります。中学校受験の科目になることも十分予測されます。

問題点としては、評価基準が設定され、数値で評価を受けることになれば、小学生の「英語嫌い」を早期につくってしまう可能性があるということです。「聞く」「話す」活動を十分に行った上で「読む」「書く」指導に段階的につなげるカリキュラム作りなど、子どもにとって興味深く、ただ内容が難しいだけで終わらない授業を工夫する必要があるでしょう。また、小学生にとっては自国の言語を覚えるのが精一杯の状況で、基礎英語が身につくはずがないという考え方もあります。

大切なのは「英語を覚えたいと感じさせる年齢」

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、そもそも人間は基本的に好きなことや必要性を感じたことに対して、驚異的な吸収力を発揮します。大切なのは「英語を学ばせる年齢」ではなく、「英語を覚えたいと感じさせる年齢」ではないでしょうか。

例えば、公用語が4か国あることで有名なスイスでは、日常会話で他の言語とぶつかります。つまり、言語を覚えていないと他人とのコミュニケーションすら、まともにできないのです。幼児期に公園デビューした時から、そのような環境なので、スイス人は物心がついた時から4か国語を覚えようとします。話ができなければ、友だちと遊ぶことすら難しいからです。

小学校英語で、まず教えるべきことは、「これからの時代、英語は覚えておいたほうが良い」と認識させると同時に、それぞれの子どもたちが英語を活用してどのように世界で活躍するのか、具体的な目標や夢を描かせることでしょう。その第一歩が小学校英語で取り組まれることが重要と考えられます。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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