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相続税評価を下げるための不動産活用。戸建てからマンションへの住み替えも

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前回は相続税対策のために現預金の資産移し替えについて触れたが、今回は不動産そのものをどうするか、という観点で相続対策を考えてみる。
(前回記事:「残された遺産が一戸建てと現預金。こうした相続が一番のトラブルになる」http://suumo.jp/journal/2014/10/03/70502/)自宅の相続は、「一次相続」ではなく「二次相続」でトラブルに発展

相続トラブルで一番多いのが、相続資産が2000万円ぐらいの層だという(日本法規情報調べ)。富裕層は事前に専門家に相談して、従前からしっかりとした相続対策をしているから、意外とトラブルには発展しにくいそうだ。相続財産が自宅とある程度の現預金のみという場合、兄弟姉妹間でトラブルになりやすいという。兄弟姉妹のだれか一人が自宅を相続することになると、残りの兄弟姉妹が遺産分割に見合うだけの現金を要求することになる。最悪の場合は、結局は親の家を売却して現金を分け合う、ということになるのだ。

相続税の支払いなど、相続には申告期限が決まっている手続きが多く、自宅を売却することになっても、思惑どおりに事が運ぶとは限らない。また、父親、または母親が亡くなり、配偶者と子などが相続する場合を「一次相続」というが、この場合は、母親または、父親がその家に住み続けるケースが多く、トラブルにはなりにくい。実際に前述したようなトラブルに発展するのは、遺産を受け継いだ父親または母親が亡くなり、子などに遺産が受け継がれる「二次相続」の場合だ。

残された自宅を複数の相続人で分け合うことは現実的ではない。では、現状、相続財産が自宅というケースでは、どんな手が有効になるのだろうか。二世帯住宅や賃貸・店舗併用住宅への建て替えは事前に十分検討を

余剰資金があれば、資産を移し替えて相続評価を下げるために投資用マンションを購入することは有効だ。投資用マンションであれば相続人が売却することをためらうこともないし、複数戸を所有できれば、相続人で分け合うことも可能になる。現金のみでローンを使わない前提ではあるが、相続の際にも話はそう複雑にはならないだろう。しかし、自宅を二世帯住宅に建て替える、賃貸・店舗併用住宅に建て替えるという場合には、慎重に考える必要がある。

まず、自宅のままであれば、小規模宅地の特例が使え、不動産評価を8割下げることができる。これを賃貸・店舗併用住宅に建て替えると、自宅部分は小規模宅地の特例で8割減、賃貸部分は貸家建付地として5割の評価減になる。自宅のままのほうが節税効果が高いのか、賃貸併用のほうが節税効果が高いのかは、個別の評価によるので、事前に十分チェックしておきたいもの。

また、建て替え後の空室リスクも考慮する必要がある。賃貸の戸数が少なければ、1室でも空室の期間が長ければ賃貸経営は成り立たなくなる。店舗であれば、地域のニーズがいつまでも同じとは限らず、専門的な知識が必要になってくるだろう。安易な建て替えは注意をしてほしい。

二世帯住宅への建て替えに関しては、これまで二世帯分が小規模宅地の軽減を受けるには、玄関が共用、もしくは玄関が別でも内部でつながっているなど建て方の要件があり、完全分離型は認められていなかった。それが今回、完全分離型でも同居家族として認められることになったため、小規模宅地の評価減には有効な方法となる。

ただし、完全分離型の二世帯住宅の場合、親子でそれぞれが単独で登記(区分所有登記)をするケースがあるが、その場合は、親世帯の相続対象部分のみが小規模宅地の特例の対象となるので、注意が必要。さらに、兄弟姉妹がいる場合は、やはり遺産分割でトラブルにならないように、事前に協議しておくことが大事だ。マンションへの住み替えで相続資産の評価を減らす

そこで、もうひとつの対策としては、一戸建てからマンションへの住み替えだ。要は土地評価が相続財産の評価を上げるのだから、土地を少なくすればいいという発想。資産価値の高い都心部などのマンションへの住み替えであれば、土地所有分はかなり減らせるはずだ。

利便性の高いマンションであれば、老後に家のメンテナンスに労力を使わなくてもいいし、相続後、売却するにも都心部のマンションであれば買い手もつきやすい。賃貸のニーズもあるだろう。老朽化し、家のメンテナンスが大変、それでも土地の価格が上昇していて、相続税が心配。そういうケースの場合は、一考の余地があると思うが、いかがだろう。居住用財産の3000万円特別控除や配偶者控除も活用

一戸建てからマンションへの住み替えを検討するなら、「居住用財産の3000万円特別控除」や「長期譲渡所得として低税率」が適用されるかチェックしておこう。税の軽減措置が適用されれば、売却益が出たとしても、多額の譲渡所得税を支払わなくてすむ。早計に賃貸アパート建設などで、老後に多額のローンを残すという心理的な不安もない。

さらに、買い替えの際には、夫婦共有名義や一部財産の移し替えをすることで、事前に相続対策を行うことも可能だ。婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、居住用不動産や取得のための金銭贈与については、最高2000万円(+基礎控除110万円)の控除が受けられるからだ。

相続税制の改正が目前に迫り、慌てて対策を講じる前に、こうした税の優遇措置も視野に入れた、不動産活用を検討してほしい。●相続税改正後、二世帯・賃貸併用住宅はどう変わる?~二世帯住宅編~
http://suumo.jp/journal/2014/05/09/62635/ 
●相続税改正後、二世帯・賃貸併用住宅はどう変わる?~賃貸併用住宅編~
http://suumo.jp/journal/2014/05/15/62834/●日本法規情報
http://www.souzoku-navi.com/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/10/09/70725/

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