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KDDIがMozillaのイベントでFirefox OS Phone12月発売と、開発者支援策を発表

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イベント冒頭に行われたプレゼンテーションで、トークセッションの内容が予告されたこともあり、KDDIの展示ブース、トークセッションには大勢の来場者が詰めかけた

au版Firefox OS 端末発売がクリスマス頃に予定されていることが、田中孝司社長のビデオメッセージを通じてアナウンスされた

トークセッションで紹介されたFirefox OSをベースとした開発者向けのツールである、Open Web BoardとGluin、FraminはKDDIブースでも展示されていた

au Firefox OS Portal Siteへの登録は無料で、プログラムの経験がない人でもライブラリーを利用したり、コミュニティーに参加できる

30分間のトークセッションでKDDIのFirefox OSへの取り組みが紹介された

Mozilla Open Web Day in Tokyoでは、Firefox OSなど国内におけるMozillaコミュニティーによる数々の取り組みが紹介された(壇上はMozilla Japan の瀧田佐登子代表理事)

Mozilla といえば、ブラウザ Firefox の開発元として有名だが、オープンソースを基盤とする開発者コミュニティーを支援する活動でも知られている。そうしたコミュニティーの活動や研究内容、プロジェクトを紹介するイベント「Mozilla Open Web Day in Tokyo」が、10月5日、東京の3331 Arts Chiyoda にて開催された。

28のコミュニティーが展示と短時間のプレゼンテーションを行ったほか、ステージでは Web と Fab(モノ作り)、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)などをテーマに3つのトークセッションが行われた。中でも、KDDI Firefox OSプロジェクトチームによるトークセッションでは、 Firefox OSを搭載したスマートフォンを今年12月、クリスマス時期に発売することが正式にアナウンスされ、大きな注目を集めた。

トークセッションは、オンラインニュース Engadget 日本版編集部の津田啓夢氏が、KDDIチームへ質問をするという形で進められた。それによると、KDDIがFirefox OSに関わるきっかけは、2011年12月のMozilla Japanとのミーティング。翌年、スペインのバルセロナで開催されたモバイルをテーマにした国際イベントMWC(Mobile World Congress)で、FIrefox OS開発担当者であるMozilla CorporationのDr.Andreas Galから実物を紹介され、コミュニティーへの参加を検討し始めたたという。翌2012年5月に社内プロジェクトとしてGOサインが出され、7月に開催した「KDDI ∞ Labo 3rd MEETing」で田中孝司社長がFirefox OSを移植したauスマートフォンを披露したことが大きな話題となった。2013年2月のMWCでは、Firefox OSのサポートを正式発表、そして、いよいよ今年のクリスマスに実機が発売することを、田中社長がビデオメッセージを通じてアナウンスした。

残念ながら、スマートフォンの映像は公開されなかったが、デザインはボタンからネジに至る細部までこだわっており、機能についても時間をかけた分だけ満足できる仕上がりで、これまでにない未知の新しい端末になるとしている。発表も通常とは異なり、一般の人たちも参加できる形式にする予定だという。

KDDIがここまでFirefox OSの開発に力を入れている理由を尋ねられると、「先進性と面白さ」、具体的には、デバイスをウェブでコントロールでき、モノをインターネットで結ぶIoTや、モノとウェブと結ぶWoT(Web of Things)によって、スマートフォンの概念を超えたエクスペリエンスを提供できることだとしている。スマートフォン以外の各種デバイスにおいてもウェブアプリケーション開発ができるツールとして、Firefox OSをベースとした開発ボード「Open Web Board」と、アプリ開発用ツール「Gluin」を提供し、ウェブや機器組み込み分野のコミュニティーも巻き込んでいきたいという。Gluinはレシピと呼ばれる機能でグラフィカルにプログラムを簡単に組み上げられる。Open Web Boardを組み込んだ筐体を3Dプリンターで作り、ネットからコントロールするといったこともできる。そのためのライブラリーの公開やアイデアの情報共有をオープンに行う専用ポータルサイト「au Firefox OS Portal Site」の開設もイベント当日に公開された。

さらに、一般の人たちもオープンな開発環境を手軽に楽しめるよう、簡単なビジュアルエフェクトを使ったデザインが楽しめるアプリ「Framin」もプリインストールされる予定である。こちらは、温度に合わせて照明の色を変えるといったコントロールが簡単にできるようになっている。

これらを含めたFirefox OSの世界を体験できる機会として、アイデアソンやハッカソンを10月下旬から年末まで複数回開催するとしている。Open Web Boardの発売時期は未定だが、イベント参加者には先行して提供するとのことだ。

最後に津田氏から、「KDDIはどこまでオープンコミュニティーに関わっていくのか?」という質問があり、それに対してKDDIは、「オープンソースの力は無視できず、コミットの度合いを高めていく方向である」とコメントし、Firefox OSの開発ソースなどは原則公開し、今後はスマートフォン以外のさまざまなデバイスに合わせて開発環境を広げ、ツールの開発や提供にも積極的に関わっていく姿勢であることを伝えた。KDDIのFirefox OSに対する本気度は会場へ十分に伝わったようで、トークセッションが終わった後も、KDDIの展示ブースには多くの参加者が訪れ、KDDIの取り組みに対するMozillaコミュニティーの関心の高さがうかがえた。

開発者コミュニティーのブースでは、Firefox OSを利用した人工衛星開発の実験や、モノ作りを支援するためのツールなどが展示されており、モノとインターネット、そしてWebのつながりが始まっていることが十分に感じられた。そこへ、KDDIからのスマートフォンや開発環境の提供が始まることで、Firefox OSのみならず、オープンソースコミュニティー全体を活気づけるかもしれない。そんな印象を感じさせるイベントであった。

著者:野々下 裕子(ののした・ゆうこ)

フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」、「DIME」、「App DIME」「ライフハッカー」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。

参考情報(外部サイト)

Mozilla Open Web Day in Tokyo
au Firefox OS Portal Sit
KDDIのトークセッション中継録画(動画)

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