あなたの最期の言葉をアートにして、愛する者たちに贈れるサービス

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TheLastOfMe

人は生まれて、いつか死ぬ。死は、誰しもが避けて通れないものだ。しかし、いずれ誰もが直面するはずの“死の問題”は、普段あまり話題に上ることはなく、むしろタブー視されている。特に、あなたがまだ若くて健康なら、余計縁遠い存在に感じているかもしれない。

◆愛する者たちに最期の言葉を残そう

iPad向けアプリ「The Last Of Me」は、そんな死の存在について考えさせてくれる。シンガポールのNUS Department of Industrial Designの卒業生Corina Tan氏が開発中だ。あなたが死んだとき、最期に贈る言葉をアートプリントにして、家族や友人ら愛する者たちへ送り届けてくれるサービスである。

「The Last Of Me」の利用方法はこうだ。ユーザーはまず、残された者のために、最期に残したい言葉を検討する。彼らに向けた愛の言葉や人生のアドバイスでもよいし、普段から口癖のように言っていた人生のモットーでも、お気に入りの映画の台詞の引用でもよい。

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◆登録情報を公的機関のデータと照合

ユーザーの情報はデータベースに保管され、チームでは毎日データスキャンをおこなう。政府や公的機関によって発表されている死亡者情報と照らし合わせ、登録者と該当するかチェックする。

該当者の死亡が確認された場合、あらかじめ設定された相手にアラートを送信し、最期の言葉が実物のアートプリントとして成形され、相手に送られるという仕組み。

◆タブーである死と向き合うために

元々このアプリは、死が身近な存在である緩和ケア患者に向けたサービスとして着想されたが、Corina氏はむしろ、今健康でまだ若い人たちが、死について向き合うきっかけ作りになるという意味で、大きな意義があるのではないかと感じ始めたという。現在、サービスの展開のためにコラボレーション先を募集しているようだ。

人生において、愛する人を失う悲しみは計り知れないもの。残された者たちは、この贈られた言葉によって慰められ、勇気付けられる。最期の言葉は、彼らのこれからを生きる糧となるだろう。

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