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経団連が消費増税賛成の理由 「輸出戻し税」で儲かる裏事情

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 大企業を中心に約1600社の加盟企業を抱える日本経団連会長・榊原定征氏が自民党本部を訪れ、5年ぶりとなる「政治献金再開」を表明した。安倍自民党は年間50億円ともみられる企業献金の見返りをきっちりと用意している。わかりやすいのが法人減税である。

「来春にもう一度賃上げするために、政策面での後押しをしてほしい」

 9月18日、榊原氏は都内で会談した菅義偉・官房長官にこう要請した。政権が国民に約束した賃上げをエサにして、“確実に法人減税してくれよ”とわざわざ念押ししたのである。

 財界にとって法人税以上に儲かるのが消費増税だ。一般消費者の立場から見ると、経団連が消費増税を推進するのには違和感がある。増税は消費者マインドを冷やす。商品を売りたい大企業は歓迎できないはずである。

 総務省の家計調査によると、この7月の1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万293円。物価変動を除いた実質値で前年同期比5.9%減だった。マイナスは4か月連続で、減少幅は6月の3.0%減から2倍近くまで拡大した。

 増税の影響は、政府や御用マスコミがいうように和らいではおらず、むしろひどくなっているのが実態であり多くの国民の実感だろう。

 なぜ経団連は消費増税を自ら政治に要求するのか。経団連に加盟するような大企業は、消費増税によって「濡れ手で粟」の莫大な利益を得ることができるからである。カラクリはこうだ。

 消費税法第7条では「海外の消費者からは消費税を取ることができない」旨が定められている。そのため輸出企業は仕入れ段階で“下請けの部品メーカーに払った消費税”を輸出価格に転嫁できないと主張する。そこで仕入れ時に支払った消費税分を「輸出戻し税」として国が輸出企業に還付する制度がある。

 ここにトリックがある。国の説明では、自動車メーカーが下請けから部品を購入する時は消費税を上乗せして代金を支払うことになっている。100万円分の部品を仕入れるのであれば、消費税(8%)を含めて108万円だ。

 部品を組み立てて完成した自動車を50万円の付加価値を付けて国内で販売すると、「仕入値108万円+付加価値50万円+(50万円に対する)消費税4万円=162万円」が国内販売価格になる。

 一方、海外で売る場合は消費税を上乗せできないので、海外販売価格は「150万円」になる。ここで「輸出戻し税」が出てくる。輸出販売した場合、自動車メーカーが仕入れ時点で支払ったとされる「消費税8万円」が国から還付されるのだ。

 国や輸出企業は「部品の購入時に消費税分を上乗せして支払っているのだから、その分を取り戻すのは当然」と主張する。

 しかし、実態は違う。消費税率が上げられても下請け企業は最終製品メーカーより立場が弱く、厳しい価格競争に晒されているため増税分を販売価格に転嫁できないケースが多い。実際、メーカーが支払うべき消費税は下請けが自腹で負担していることが多い。

 また、メーカーが海外でも国内と同額の「162万円」で売ったとしても何の問題もないから、どのみち損などしない。それが実態なのに、消費税を納めていないメーカーに一括して巨額の還付金が支払われている。

※週刊ポスト2014年10月10日号


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