ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

動画の投稿を巡る法律について

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 報道によれば、警視庁や大阪府警などは25日までに、動画投稿サイトへのテレビドラマなどの投稿を一斉摘発し、著作権法違反の疑いで35~58歳の男4人を逮捕、12人を書類送検しました。
 警視庁によると、16人の逮捕、書類送検容疑は、ドラマやバラエティー番組などを動画投稿サイトに投稿して、不特定多数が閲覧できる状態にし、民放各社と日本放送協会の著作権を侵害した疑いとのことです。ネットを閲覧しているとドラマやバラエティーの動画を無断で無料配信しているサイトを見かけますが、これらにはどのような問題があるのか、考えてみたいと思います。

 小説、音楽、絵画、テレビ番組といった人の創作活動によって生み出される表現を著作物といいます。著作権法は文化の発展を目指して、著作物について生み出した人(著作者)と利用を望む人との利害を調整するルールを提供する法律です。著作者にとっては、自分の創作的な活動から生まれた著作物は自分の分身であり、他人に無断で使われたくないと思うこともあるでしょうし、また他人に勝手に自分の著作物が使われてしまったら収入の道が途絶え、創作活動を続けていくことができなくなってしまいます。そこで著作権法は、著作者に対して著作権という独占的な権利を与えています。

 著作権の一つに公衆送信権という権利があります(著作権法第23条)。これは、著作者が著作物について、公衆に送信する権利を独占させるものです。今回、ドラマやバラエティー番組の動画を無断で配信したことは、著作者の公衆送信権を侵害する行為となります。
 著作権を侵害した場合は、10年以下の懲役若しくは1000万以下の罰金(又は両方)が科されるという重い刑罰が待っています(同法第119条)。

 では、そのような違法な動画の配信行為を許した共有サイトの運営事業者の責任はどうなるでしょうか?
 これについては、知財高裁が、違法なコンテンツが大量に放置されている状態であり、管理の努力がなされていない上、それによって事業者が利益を得ている場合にはサイトの運営事業者も著作権侵害の責任を問われるという判断を下しています(知財高裁平成22年9月8日)。

 また、違法な動画を視聴したり、ダウンロードしたりした場合はどうでしょうか?
 平成24年6月に違法ダウンロードの刑罰化について改正法が成立し、平成24年10月1日から施行されています。これによって、個人的に利用する目的であっても、それが販売又は有料配信されている音楽や映像(有償著作物等)であることと、違法に配信されたものであることの両方を知りながら、自分のパソコン等にダウンロードをした場合には、刑罰として2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(又はその両方)が科されることになっています(著作権法119条3項)。ただし、違法ダウンロードについては、被害者である著作権者からの告訴が必要です(これを親告罪といいます)。
 なお、違法に配信されている音楽や映像を配信サイトで視聴した場合ですが、データをダウンロードしながら再生する仕組みであっても、動画の再生のために作成される一時的なファイル(キャッシュ)である限り、47条の8(電子計算機における著作物利用に伴う複製)の規定が適用されることにより著作権侵害には該当せず、違法ではありません。

 動画の投稿やダウンロードについては、とても身近な行為であり、私たちが一番犯しがちな違法行為ですので、くれぐれも注意が必要です。

元記事

動画の投稿を巡る法律について

関連情報

DVDリッピング違法化1 ~リッピングの意味と従来の法的位置付け~(著作権の最新事情)
気づかぬうちにウイルスを送っていた!(なっとく法律相談)
勝手にメールを読むと犯罪!?(なっとく法律相談)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP