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読売巨人軍の強さのウラに「白石社長」あり? ナベツネ不在で「現場の信頼関係」重視

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優勝の「立役者」は・・・?

プロ野球の巨人は26日に横浜DeNAを下し、3年連続のセリーグ優勝を決めた。28日現在でも2位広島に7ゲーム差をつけており、他を圧倒したと言っていいだろう。

しかし今シーズンの巨人には3割打者が1人もおらず、セリーグのMVP(最優秀選手)に巨人の選手は選ばれないのでは、という声もある。それでも強い理由は、どうやら球団の「新しいマネジメント術」にあるようだ。
日替わり打線批判にも「当然のこと」と監督擁護

読売巨人軍の白石興次郎球団社長は、28日付夕刊フジのインタビューで、チームの指揮を執って9年目となる原辰徳監督を、「監督はプレーヤーではないが、その延長線上という意味で」と隠れたMVPに挙げた。その理由にあげたのが、指揮官の「柔軟性」だ。

今年の巨人は「日替わり打線」「猫の目打線」と呼ばれ、優勝した137試合目までに組まれた打順は105通りもあった。4番を務めた選手は7人にのぼり、「打順を固定すべき」という批判が多くあったが、白石社長はこう言って原監督をかばった。

「選手には好不調の波がある。監督、コーチが状況を判断しながら、打順を含めて最適のチームを編成していくのは当然のことだ。試合ごとにベストの構成を組み立て、ここに至ったということは、原監督の采配は正しかったと判断できる」

絶対的な力を持つ選手がいれば、管理者は楽だ。現に昨シーズンの原監督は、阿部慎之助選手を中心に4人をほぼ毎試合主力に起用した。しかし今年は阿部選手の不調もあり、この4人を下位打線に据えたり途中交代させたりすることも多くなった。

過去の成功体験にとらわれず、その時点で「最適のチーム編成」を考え抜くことは楽ではなかったと思われる。しかし、それを監督が貫くことで結果につながった。そんな試行錯誤が可能になったのも、監督を信頼し擁護してくれる白石社長がいたからかもしれない。
「緊急帰京」の権限委譲が信頼関係を強めたか

「夕刊フジ」9月28日付

とはいえ、頻繁な打順変更にはリスクもつきまとう。プライドの高い選手なら「俺が4番なのに…」とモチベーションを下げてしまうおそれもある。白石氏は、そんな臨機応変のマネジメントができた背景には「信頼関係」があったと指摘する。

「部下に指示するときには、相手の気持ちを忖度(そんたく)して、自問自答しながらやるワケです。一見、無慈悲な采配も、逆に温情あふれるようにみえる采配も、思惑と違った結果になることがある。うまく回転させていくには監督、コーチ、選手の間に信頼関係が不可欠でしょう」

原監督の父・貢氏が5月に心筋梗塞で倒れた際、川相ヘッドコーチに指揮を任せて緊急帰京したときも、チームに「信頼関係」が備わっていたと評価した。

「私も新聞記者になったときには『親の死に目にあえない』とか言われた。今は、新しい価値観というほど大げさなものではないが、みんなが昔とは違う感覚も持っていると思う」

「それに、川相に任せられるっていうことが、組織として大事じゃないですか。自分の権利を委譲して任せられるということは非常に大事。それだけ選手とコーチ陣の間に信頼関係があるということですから」

もちろん、思い切って権限を委譲してみることで、監督とコーチ、選手との信頼関係が強まることもあるのだろう。それが5月の「緊急帰京」という機会だったのかもしれない。
読売新聞社長として「復職制度」導入する温かさ

ところで読売巨人軍といえば、何かと現場に有言無言のプレッシャーを掛けるナベツネこと渡邉恒雄氏(現・球団最高顧問)が思い出される。しかし白石氏のマネジメントは、ナベツネ氏の強硬なトップダウンとは異なるスタイルのようだ。

読売新聞東京本社社長という顔もある白石氏は、内閣府発行の広報誌「共同参画」(2014年2月号)のインタビューで、今春から「復職制度」を導入したと明かしている。育児や配偶者の転勤などでやむを得ず退職した場合に、退職当時の待遇で再チャレンジできる制度だ。

ナベツネ時代には「親の死に目にあえない」という記者という職業も、白石氏が変えつつあるようだ。白石氏は「日本社会は変わりつつあるなと感じますよ」としながら、制度のねらいをこう説明する。

「新しい経験をするということは、人生を豊かにする。そういう経験をすべしと、思います。そのための配慮や、可能となる職場環境を作ってやらなければならない」

実は原監督は今回2度目の監督就任で、前回は2003年に3年契約の1年目で辞表を提出している。その原因は成績不振だったシーズン途中で、当時の渡邉恒雄オーナーが自身の「懐刀」だった三山秀昭氏を球団社長に据えたことにあると噂される。

三山氏は野球の素人であるにもかかわらず、原監督に采配の注文をつけた。そして、シーズン途中での解任も辞さない発言をしたことから、原監督との確執は決定的となったという。

当時と現在と、現場の監督にとってどちらがやりやすいかは一目瞭然だろう。白石氏は原監督をMVPに挙げているが、こうした白石流の考え方が浸透し、チームの強さとなった側面もあるといえるのではないか。

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