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外国人投資家 アベノミクス再評価の機運生まれ日本株に期待

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 第2次安倍改造内閣がスタートした。アベノミクスの今後にも注目が中で海外の投資家たちは日本株の行方をどのようにみているのだろうか。外国人投資家の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。

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 アベノミクスに対する国内の金融市場の評価は厳しい。先の6月に発表された「新成長戦略」で、目新しい政策が無かったのが大きく影響しているようだ。

 しかし、外国人投資家のアベノミクスへの評価は違ってきている。国内での評価が下がるのと逆行するかのように高まっているのだ。その主因は、5月から6月にかけて発表された日本の経済指標の落ち込みが、想定の範囲内にとどまり、7~8月の決算発表で、日本企業の今期業績予想の上方修正トレンドが復活したことなどによる。
 
 例えば、ソロス・ファンドやブリッジウォーターといった多数のヘッジファンドを顧客に持ち、歴代の米政府最高幹部OBをアナリストに擁する調査機関『G7グループ』は、5月下旬に更新した「今後12か月間に世界経済に深刻な打撃を与える可能性のあるリスクシナリオ」の中から、『アベノミクスが失敗するリスク(=アベノミクス・デフォルト)』を消去し、世界の機関投資家の注目を集めた。

 その理由を同社のアナリストに聞いたところ、「4月の消費税引き上げ後も日本経済が大きな落ち込みをせず、成長軌道を維持する可能性が高まったため」といった回答だった。このG7グループの情勢分析を筆頭として、5月末以降、外国人投資家の間には、アベノミクスを再評価する機運が生まれ、日本株への見方も好転しているのが現状だ。

 さらに、外国人投資家を日本株に向かわせる要因として、上場企業の意識の変化も見逃せない。昨年来、株主に対する利益還元の動きが顕著となっている。

 上場企業が資本の株主還元に積極的になった事例として、外国人投資家からもよく引き合いに出されるのは、6月に「今後2年間の利益をすべて株主に配分する」という方針を出したアマダだが、すでに、昨年後半から兆候は見られた。その背景にあるのが、日本株の新しいインデックスであるJPX日経400のスタートである。ROE(株主資本利益率)を選定基準に加えたインデックスで、構成銘柄として採用されるためには、一定のROEを維持しなければならない。

 そこへ、4月に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、インデックス運用のベンチマークがTOPIXだけだったのを見直し、JPX日経400を基準にした運用を新しく選定した運用会社に委託したことで、上場企業の株主還元積極化の流れが加速した。なお、キャピタル・インターナショナルなど一部の長期投資型の外国人投資家は、すでに昨年からこうした上場企業の変化を感じ取り、ROEの引き上げに努力する企業の選別物色を始めていた。

※マネーポスト2014年秋号


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