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学生の「お祈り返し」は法的に問題? 弁護士が「損害賠償のおそれ」指摘

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キャリコネニュースが9月16日に配信した記事、「内定辞退を『お祈りメール形式』で送った就活生に拍手喝采」には、ネットで大きな反響があった。配信先のニコニコニュースでは、1000件を超えるコメントが寄せられた。

企業の不採用通知は、文末に「貴殿の今後のご活躍と発展をお祈り申し上げます」と書かれていることから、就活生に「お祈りメール」と呼ばれている。記事では、この形式をまねた内定辞退を、とある就活生が企業に送ったところ、人事担当者が激怒した話を紹介した。
就活生は「申し込み」、企業は「承諾」という違い

「慎重に検討しました結果、内定受諾を見合わせて頂くことになりました」「貴社のご活躍をお祈り申し上げます」などの文案に対し、ネットユーザーからは賞賛の声が相次いだ。

「祈る側が祈られるって素晴らしいですなぁww」

「就活生の大逆襲だなw」「朝から気持ちいいニュースだ」

「いいぞもっとやれww」

連日のように企業に「お祈り」されてウンザリした記憶を持つ人にとって、「お祈り返し」は溜飲が下がる思いだったに違いない。企業が「お祈り返し」にイラつくのは、企業が無意識のうちに就活生に対して「上から目線」になっているから、という意見もある。

「企業側の間違った上から目線が正されるいいきっかけになればいいね」

そんな中、弁護士資格を持つはてなブロガーの浦部孝法氏は、ブログ「法廷日記」でキャリコネの記事に言及。「お祈り返し」は「社会常識だとか道義的な問題だけでなく、法的な面からも不適切な行為」とした。

浦部氏によると、就活生の企業への応募は労働契約の「申込み」となり、企業が内定を出して「承諾」した時点で契約が成立するという。したがって法律では、就活生が内定辞退すること自体は認められているものの、思わぬリスクもあると指摘する。

「あまりに不誠実な態様での内定辞退は、契約上の責任や不法行為責任が発生し、損害賠償義務を負う可能性がある点に注意が必要である」

「お祈り」が不誠実かどうかの疑問は残る

ネットユーザーには「本来、雇用者と被雇用者は平等の関係にある」という見方が根強いが、浦部氏は「企業からのお祈りメールと就活生からのそれとは場面が異なる」とも指摘。

企業は応募者の「申込み」を「承諾」するかどうか自由に決められるので、本来は不合格通知すら送る必要がない。一方で、内定辞退は、すでに成立した解約することになるので、

「そこで意趣返しのような『お祈りメール』を送ることは極めて不適切といえるだろう」

としている。キャリコネの記事に対しても、とあるネットユーザーが「やられたらやり返すのは心理的に分からなくもないけど、他社のうっ憤を内定くれた会社で晴らすのはやなかんじ」とコメントしている。

ただし、学生が企業に対して不誠実な態度をとってはいけない、とは言えるとしても、学生の「お祈りメール」が不誠実となるかの判断は難しいところだ。浦部氏の説明に対し、はてなブックマークには、「お祈りは不誠実という法律家のお墨付きが!」「丁重に辞退する結果、お祈りメールになるなら問題ないんじゃないの?」などというコメントも見られた。

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