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今週の永田町(2014.9.16~23)

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 先週19日、政府は持ち回り閣議で、今月29日に臨時国会を召集することを決定した。そして、同日、衆参両院の議院運営委員会理事会に菅官房長官が出席して、29日の国会召集を正式に伝えた。臨時国会の会期を11月30日までの63日間とし、召集日29日に安倍総理が所信表明演説を、翌30日~10月2日に衆参両院本会議で各党代表質問を行う案を示したという。
 当初、政府・与党は、12月6日までの69日間で調整していたが、来年度度予算編成のほか、2015年10月に消費税率10%へ引き上げるかどうかの判断を12月上旬に行うことなどを考慮して、日程上の余裕を持たせる判断をしたようだ。

 

 

 政府は18日、地方創生の観点から、8月末までに各府省が提出した来年度の予算概算要求を全般的に見直す方針を決めた。概算要求は、第2次安倍改造内閣発足後の人口減少対策や地域活性化策に関する方針が明確に反映されていないことや、複数の省が類似事業への予算要求、バラマキへの懸念なども指摘されている。このことから、政府は、省庁横断的に地域振興策を策定する「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長:安倍総理、副本部長:菅官房長官、石破地方創生担当大臣)で12日に決定した基本方針に基づき、地方創生などに重点配分する「新しい日本のための優先課題推進枠」(約3.8兆円)を中心に概算要求を見直すこととした。予算のムダ排除や効果性の高い政策への重点配分などの予算精査を要求官庁に要請し、必要に応じて再提出も求めるという。

 

 19日には、地方創生策について関係閣僚が有識者と意見交換するため、創生本部の下に発足した「まち・ひと・しごと創生会議」(議長:安倍総理)の初会合が開催された。会合では、有識者から人口減少の抑制や東京一極集中の是正のため、企業経営に精通した人材を地方に呼び込むしくみや、地方の雇用対策、地方大学の魅力向上策などの意見が出された。石破地方創生担当大臣は、これまでの地域活性化策や少子化対策について検証するチームを創生本部事務局に設ける意向を示した。創生会議メンバーの有識者らを招いて、省庁間の縦割りなどの問題点などを洗い出すほか、自治体関係者からもヒアリングを行っていくという。

 10月に有識者会議で論点整理を行い、創生本部がそれをもとに50年後に人口1億人程度を維持するための「長期ビジョン」と、今後5年間に実施する「総合戦略」を年内に取りまとめて決定する予定だ。予算査定基準となる総合戦略づくりが開始されたが、今後、予算獲得を狙う各省との綱引きが展開されていくこととなりそうだ。

 

 

消費税率10%への引き上げ判断について、菅官房長官は、20日、消費税率8%への引き上げで後退した景気の回復状況について示す「7~9月期国内総生産(GDP)2次速報値」<12月8日発表予定>を見極めたうえで、安倍総理が12月上旬にも最終判断するとの見通しを示した。11月17日発表の7~9月期GDP速報値を待たずに、マクロ経済分析の専門家など有識者による集中点検会合を開始して、消費税率引き上げ時の必要な処方箋も含め、再増税の是非について徹底的な議論を重ねていくという。

 

安倍総理は、「引き続きデフレ脱却を目指し、経済最優先で取り組んでいく」と重ねて表明し、「増税により景気が悪化し、税収もままならなくなるようでは元も子もない。7~9月期に経済がどの程度回復軌道に乗るか、注意深く見ていく必要がある」と慎重に見極めて判断する姿勢をとっている。

ただ、政府・与党内からは、予定通りの消費税率を10%に引き上げるべきとの声が上がり始めている。谷垣自民党幹事長が、来年10月の消費税率引き上げは既定路線であり、必要な経済対策を講じたうえで実施すべきとの認識を示したほか、麻生副総理兼財務大臣らも再増税に積極的な立場をとっている。財政制度等審議会財政制度分科会で、消費税引き上げは不可避との前提にたって、2015年度に国・地方の基礎的財政収支赤字を対GDP比で2010年度から半減させるなどの財政再建目標を順守すべきとの声が委員から相次いだ。消費税率引き上げ時には大型補正予算を編成し、来年の通常国会で成立をめざすことが、政府・与党内で検討されているようだ。

 消費税率10%への引き上げ是非は、臨時国会で主要争点の一つになる見通しで、政府・与党関係者の動向のほか、与野党論戦も注視していくことが大切だ。

 

 

 来週には臨時国会が召集される。29日には安倍総理の所信表明演説が行われる。安倍総理は、デフレ脱却と経済再生への道筋を示すことを最優先で取り組む決意を改めて示しており、臨時国会を「地方創生国会」と位置付ける。人口減少・地方対策を進める地方創生関連法案の処理を最優先で取り組んでいく方針だ。こうした点も踏まえ、安倍総理が所信表明演説でどのようなことを語るのかについて見定めることが重要だろう。
 

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記者:

霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

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