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加工肉の添加物 やり玉に挙げられるがすべてが悪者じゃない

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 市販の加工肉にある添加物を嫌う人も多いだろう。だがそんなに「悪者」なのだろうか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

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 このところ自家製の加工肉を提供する飲食店が増えている。フランスで言う「シャルキュトリー」やドイツ語での「メッツゲライ」というようなハムやソーセージを扱う食肉店だ。人気の理由に「添加物や保存料の少なさ」を挙げる人も少なくない。こうした工房で作られる加工肉は何が違うのだろうか。専門店の店主はこう語る。

「例えば大手メーカーのハムのラベルを見ると、大豆たんぱく、卵たんぱく、ゼラチン、ポークエキス、たんぱく加水分解物、ソルビン酸カリウム、増粘剤など添加物のオンパレード。もちろん添加物のなかには、保存などのために必要なものもあるはずですが、たんぱく質やゼラチンの添加などは、水分を加えて文字通り分量を水増しするためのものです。個人に近いようなスケールでやっている店は、比較的添加物が少ない傾向はあると思います」(食肉加工店店主)

 もっともすべての添加物が悪者だとは限らない。

「例えばソルビン酸カリウムは、よく『保存料が!』とやり玉に挙げられがちですが、添加しなければ、保存性は格段に下がって腐りやすくなる。大手の製品を買う人のなかには、常温で保存するような人もいるでしょうし、消費期限をもうけているとはいえ、私が大手メーカーに勤めていたらやはり入れたくなると思います(笑)」(同)

 また、亜硝酸ナトリウムは、国内では『発色剤』という扱いだが、猛毒のボツリヌス菌に対する制菌効果を狙って加えているケースが多いという。ボツリヌス菌といえば、いまから30年前、熊本県のメーカーが製造した辛子蓮根で集団食中毒事件が発生。数十名が中毒症状に陥り、11名の死者を出した事件の原因菌でもある。

「結局、何のリスクを取るかというバランスの話です。冷蔵庫保存もせずに消費期限を過ぎたものを召し上がられても、メーカーは責任なんて取れません。加工肉でもきちんと保存して一定の期間内で食べきれば、まず問題なんて起きないですよ。最近は自宅でハムやソーセージなどを作られる方も増えた印象がありますが、たいていは最低限の勉強をされて作っている。そういう方から『こないだ当たっちゃって』なんて話は聞いたことがありません。

 知り合いの大手メーカーの人に聞いたところでは、クレーマーに限って、買った後の保存に問題があるケースが多いようなんです。なかには常温保存しておいて、『添加物が悪い』と怒鳴りこんでくるという信じられないケースまであるようで……」(同)

 食べ物は腐る。当たり前の話だ。だがその当たり前の話が通用しない人が世の中にはいるらしい。


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