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お客様を守る「保安員」の役割もあるホテルマン 危険を顧みずにどこまで行動できるか?

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接客サービスのイメージが強いホテルマンですが、実はホテル内で何かが起きた時に、お客様の安全を守る「保安員」としての役割も担っています。

大浴場でお客様が倒れてしまった時などは、救急車を呼んだり、一刻を争う場合には心臓マッサージや人工呼吸を行ったりする必要があります。そのため、ビジネスホテルの社員は、自動体外式除細動器(AED)の使い方や心臓マッサージのやり方などの研修も、一通り受けています。(文:ユズモト)

33人が犠牲になった火災が訓練の話題に

研修では、実際に人間と同じ大きさの心肺蘇生練習用の人形を用いて、どれくらいの力でマッサージをするのか、なども学びます。私自身は、実際に知識を活用する場面に遭遇したことはありませんが、他の事業所の人から「この前、AEDを初めて使ったよ」という話を聞くことがありました。

他にも、毎月のように設備点検や消防訓練があり、緊急事態にきちんと対応できるようにしています。消防訓練のときにいつも話題にのぼるのが、1982年に発生した「ホテル・ニュージャパン火災」です。

この火災では33人の死者が出てしまったのですが、ホテルの消防設備が不十分だったことや、スタッフの教育不足により適切な対応ができなかったことなどが、ここまで被害が拡大してしまった原因と言われています。

ですから、このような惨事を起こさないために、設備点検をしっかりと行い、ホテルのスタッフが正しい知識を持つことはとても大切なのです。

保安といえば、とても印象に残っている話があります。新入社員向けの「ホテルスタッフとしての心構えを学ぶ」という研修の中で、講師からこのような問いが私たちに投げかけられたのです。

「ホテルマンとは、どんな時もお客様のことを第一に考えなければいけない。それは通常の時だけでなく、地震や火事などの緊急時もそうです。もし、あなたが働いているときに火事が起こり、お客様が客室に取り残されているとする。その時、あなたは危険を顧みずにお客様を助けに行けますか?」

「もし自分が船長なら同じ行動をしなかったか」と自問

この時、一人ひとりが意見を述べていかなくてはいけなかったのですが、正直、私は何と答えてよいものか分かりませんでした。

「いまどきのホテルは耐震・防火設備もしっかりしているだろうし、何を大げさな」と思うかも知れませんが、100%ありえない話ではありません。もしも火災が起こったとき、自分の身が危険にさらされることを承知の上で助けに行けるのか。

少し前に、韓国で「沈没した船の船長が、乗客を置き去りにして逃げていた」という事件がありましたが、この事件の報道を聞いたときも、私は、

「もし自分が船長だったら、逃げずにお客様を助けられるんだろうか…」

と考え込んでしまいました。職務を全うしなくてはいけないとか、人としてやってはいけないことだとか、頭では分かっていても、いざとなれば自分もそのような行動をとってしまうかも知れないな、と思ってしまうのです。

だからこそ、設備点検をしっかりして事故を防止することや、何かが起こった時には被害を最小に抑えるために適切な行動を取れるよう、保安に関する知識を身に着けておくことが大切だと、私は思っています。

これを読んでいる方も、もしかすると災害や事故に遭遇することがあるかも知れません。そんな時、自分以外の誰かを助けに行くことができますか? 「できる」とはっきり答えられる人は、なかなかいないと思うのですが、どうでしょうか…。

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