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認知症に効果「ユマニチュード」とは?

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ユマニチュードで介護の世界は劇的な変化を遂げるかもしれない

介護業界で最近注目されているケア技術に、「ユマニチュード」という技術があります。「歩けない人と思われていた人が立ち上がる」「介護を拒否してスタッフに大声を出す、抵抗するなどの状態にある人が笑顔を取り戻す」などの姿が、NHK「クローズアップ現代」などで取り上げられ、大きく注目されました。

ユマニチュードは、フランスのイヴ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんが35年前から取り組み、作り出されてきた知覚・感覚・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法です。「人とは何か」「ケアする人とは何か」について振り返ることから始まり、「見る」「話しかける」「触れる」「立つ」という4つの方法を柱に、それを表現する技術としてさまざまな具体的方法があります。特に認知症の人に大きな効果があると言われています(『ユマニチュード入門(医学書院)』参照)。

私も偶然NHKの同番組で技法の実践を目にしましたが、これが「技術」として広まれば、介護の世界は劇的な変化を遂げるかもしれないと感じました。また、ユマニチュードには明確な哲学があり、技法よりもこの哲学がしっかりと介護者に浸透することで、日本の介護もさらに良くなっていくでしょう。

介護者は「自分のケア」を見つめ直すきっかけとして

ユマニチュードの実践は、既に誰からも教わることなく、感覚的に身に付いている人も多くいると思われます。当たり前のようにできる人もいれば、その大切なことに気付かない、あるいは気付けないまま、現状の介護がベストであると思わざるを得ない環境にあるために、利用者にとってミスマッチな介護を続けていく現状があるのかもしれません。

ユマニチュードとは、当たり前に実践できている人と、できていない人がいる現状の中、それを標準化していく試みだと思われます。普段、当たり前のように行っている介護にほんの少しだけ手間をかけることで、介護者の思いを伝えることができます。そのひと手間を「忙しい」「人手が足りない」「そんな時間はない」と言わずに、「急がば回れ」で実践することで、被介護者が変わることを実感できるでしょう。

「ユマニチュード入門」の本の帯にあるコピーには、「魔法?奇跡?いえ技術です」とあります。介護をある程度の水準で標準化することは、今まで多くの試みがなされてきましたが、なかなか達成できた技術はありません。介護者が「自分のケア」を見つめ直すきっかけとして取り入れることで、介護を受ける立場の人、家族の人にとって、ユマニチュードを実践できる人がいるということを知ってもらえる良い機会にもなるでしょう。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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