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福岡市の「スタートアップ支援」本格化 「雇用ルールの明確化」でベンチャー経営は活性化するか?

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いま、福岡市のベンチャー企業に勢いがある。レベルファイブの「妖怪ウォッチ」や、ガンバリオンの「ワンピース・アンリミテッド」、サイバーコネクトツーの「ナルティメット」といったゲームのヒット作が、続々と生まれている。

今をときめくLINEの自社ビルも2016年に竣工予定だ。同市は2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を打ち出し、14年3月には政府の「グローバル創業・雇用創出特区」にも選ばれた。市は「世界一チャレンジしやすく、新たな価値を生み続ける都市」を目指している。
「スタートアップカフェ」で経営相談を一元化

高島宗一郎・福岡市長はYouTubeの「福岡チャンネル」で、国家戦略特区に選ばれたことを報告した際、「日本ここにあり!」という企業が生まれる仕組みをつくっていきたいと決意表明をしている。

「(米シアトルなどのような)住みやすさと、新しい価値が生まれる、開業する(環境があること)、これはまさに福岡の強みじゃないか、ということで、『福岡市をスタートアップ都市にしよう!』という活動が始まった。とにかく、地方でできることは全部やる」

スタートアップとは、新しい会社を作ったり、新しい事業を始めたりすること。一般的には、創業間もない成長中のベンチャー企業を指す。目指すのは、アップルやグーグルのシリコンバレーや、アマゾンやコストコのシアトルのように、イノベーションを創出する企業を輩出することだ。

市は重要な施策として「雇用ルールの明確化」をあげている。厚生労働省が4月に決定した「雇用指針」を活用し、10月をメドにスタートアップカフェ(雇用労働相談センター)を新設する予定だ。キャリコネニュースの取材に対し、同市の創業・大学連携課の担当者は、狙いをこう説明する。

「手続面や資金面、人材面など、スタートアップの悩みをワンストップで気軽に相談できる場を目指します。人材面で言えば、これまでベンチャー企業は採用に慎重になりがちで、求職者も情報を得られる場が少なかった。そうした双方のハードルを下げることで、多くの人にチャンスを生み出せるようにしたい」

社員に問題あれば「解雇可能」と知る効果

厚労省の「雇用指針」とは、厚労省が労働法令や過去の裁判例を分析、類型化した「雇用ルールのガイドライン」のこと。「採用」から、「配転や出向」、「解雇や退職勧奨」までを3つのフェイズで解説している。

解雇ルールなどが海外と比べて単純でない日本は、「人を雇いにくい国」と見られることもある。特に外資系企業や、少数精鋭のスタートアップ企業は、不透明な訴訟リスクが高ければ採用にも慎重になる。

指針の中身は、従来の規制を緩和したものではない。さらに労使紛争の解決は個別の事情によるところも多い。それでも、指針によって雇用ルールを整理することで、経営者の不安が減る可能性もある。前出の福岡市担当者も、

「『一度雇ったら、解雇できない』と思い込んでいる経営者に、雇用ルールをしっかり理解してもらうことで、正社員採用に積極的になってもらえる可能性がある。働く側も、会社が守るべきルールを理解していれば、ベンチャー企業にも行きやすくなるのでは」

と明かし、スタートアップカフェでは指針に沿ったアドバイスを積極的に行っていくという。雇用が増え、良い人材を採用できるスタートアップ企業が増えれば、福岡市で成功する企業も増えるという目論見だ。
すでに「開業率」は国内1位を獲得

福岡市ではこうした「雇用ルールの明確化」のほか、市内に本社を置く設立5年以内の企業を対象とした「スタートアップ法人減税」や、外国人の創業、外国人材の確保についての規制緩和も検討されているという。

新しいビジネスが生まれることは、新しい雇用を生み出すことにつながる。人口100万人以上の大都市の中で、福岡市の「開業率」は4.1%と国内1位。さらに政令市の中で「人口増加率」(3.1%)と「若者率」(19.2%)が最も高い都市でもある。

少子高齢化が進む日本全体の傾向とは、まったく逆を行っている。平均値を取って「日本全体がダメ」というのではなく、各地の特色を生かした取り組みが求められる時代なのだろう。

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