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被告人が重い刑を求めて控訴・上告はできるのでしょうか?

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Q.

 傷害事件を起こし、8月の初旬に懲役2年、執行猶予4年との判決でした。検察側からの控訴はありませんでした。事件は殺人未遂でもいい位の大変酷いもので、被害者の方は内臓破裂で全治8週間、複数回の手術の為に、いまだに入退院をくりかえしているそうです。私は自由に動けると言うのに、相手にとっては納得がいかない話だと思います。第一回公判時には最後の被告人意見陳述で裁判所に、出来る限りきびしい処分、厳重処罰をお願いしましたが、上記の判決でした。私(被告人)が軽すぎるとして不服申し立てして、判決より重い刑を求められますか?

(40代:男性)

A.

 刑事訴訟においては、上訴審で、検察側が上訴をせずに、被告人側が上訴した場合、原判決より重い刑を言い渡すことができないとする「不利益変更の禁止」という原則があります(刑事訴訟法402条414条参照)。
 この不利益変更の禁止は、被告人が上訴で刑が重くなることをおそれてしまい、積極的に控訴や上告が行えなくなってしまうことに配慮し、被告人の利益を確保することを趣旨としています。
 したがって、基本的には被告人側から刑が軽すぎるとの理由で控訴や上告を行うことはできないものとされています。

 しかしながら、この不利益変更の禁止は、「あくまで同一の事実関係に基づいた場合、その事実関係に基づいて原判決より重い刑を言い渡すことはならない」という趣旨です。そのため、原判決では明らかになっていなかった新たな事実がわかり、その事実を考慮してみると刑が重くなるなどした場合は、「同一の事実関係に基づいていない」ので、不利益な変更をしてもよい、となりえます。

 もっとも、この方法においても、被告人側から不利益な事実を改めて摘示し、上訴をするというのは現実的ではないと思われます。
 むしろ、事件のことを真摯に反省し、更生していくことこそが今なすべきことなのではないかと思われます。

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