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山林を相続したくない場合はどうすればよいか?

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Q.

 35年程前に、3人の男の子を引き取り離婚しました。そして、20年前に、別れた主人が亡くなり、主人の兄より、主人名義の山林の謄本を受け取りました。
 土地の名義変更はしないままで、私が、長男の名前で、固定資産税を市に支払ってきました。
 私も高齢の為、どのようにするか相談した所、3人とも相続したくないと言います。ほとんど利用価値のない土地で、売却も出来ず持て余しております。どのように対処すればよいでしょうか?

(70代:女性)

A.

 ご相談いただいた内容の場合、まずは、いつ・どのように相続が生じ、だれが土地を持っているかを考える必要があります。
 まず、今回のケースでは20年前に、元旦那様がお亡くなりになられた時点で相続が生じています(民法882条896条)。その時点では離婚が成立していますので、元旦那様の財産を引き継ぐのは、基本的にはお子さん方になります(再婚相手がいたり、その再婚相手との間に子供を設けていれば、そうした人たちも財産を引き継ぐことになります)(民法900条各号)。
 ポイントとしては、ご相談者様は離婚をされている以上、財産を引き継ぐことはないということです。
 したがって、元旦那様がお亡くなりになられた時に、(再婚相手や新たなお子様がいなければ)今回問題となっている山林も含めて、3人のお子さんが元旦那様の財産を引き継いでいるということになります。

 今回のケースのように管理に困る土地があったりした場合は、「相続放棄」という方法がありえます(民法938条939条)。これは、相続人が相続に関する一切の権利を放棄するというものです。相続は財産のみならず、借金も引き継ぐことになります。そのため、相続放棄は、「ひょっとしたら借金があるかもしれない」というケースで用いられたりもします。
 ただ、この相続放棄は、被相続人の死亡後、相続財産の所有を確定させるという観点から、基本的には被相続人の死亡後3カ月以内にすることが求められます(民法915条1項)。そのため、残念ながらお子さんたちは相続放棄を活用することはできません。
 以上から、お子さんたちは「相続したくないと言っている」とおっしゃられますが、実情は「すでに相続してしまっている」状態であり、名義の変更などの手続きだけが済んでいないという特殊な状況となってしまっているという点をご理解いただければと思います。

 となれば、もはや売却によって金銭に変えてしまうか、自治体にかけあい、土地の寄贈を受け入れてもらうかなどの実際上の対応を行い、山林の管理などから解放されるという方法しかないというのが実情です。こうした点をふまえて、一度お子さん方と山林の処分方法についてご相談される必要があると考えます。

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山林を相続したくない場合はどうすればよいか?

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