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週5日働いて寿命終える人生は退屈すぎる――「ゆるい就職」説明会に東大・早慶からも応募

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若者に「週休4日で15万円」の仕事を紹介する人材サービス「ゆるい就職」の説明会が、9月5日に東京・新宿で開催された。新卒生や25歳までの既卒生を対象に、週3日から働ける派遣や契約社員などの仕事をマッチングするというものだ。

人材紹介会社のビースタイルが企画し、取締役が全員ニートの「NEET株式会社」を手がけた慶應義塾大学特任教授の若新雄純氏がプロデューサーを務めている。9月2日に続く2回目となる説明会には、約60人が参加していた。
「今日踏ん張れば明日よくなる」人生観に疑問

「正規雇用など安定した就職を希望している方は間違っても応募しないでください」――。そんなキャッチコピーの「ゆるい就職」の求人には、8月末までに約360人が応募。平均年齢は23.5歳で、大学在学中の学生が6割、既卒が4割だ。

驚くことに、応募者には上位大の学生や卒業生が多い。「東大・京大・一橋・国公立」が10.8%、「早慶上智ICU」が10.1%、明治、立教などのいわゆる「MARCH」が14.2%を占めた。フツーの就職に臨めば、勝ち組になれそうなスペックなのだが。

「大事なのは、今日踏ん張れば明日よくなるというのではなく、自分で今の時間を面白くすること。そうしないと、せっかく豊かな社会環境があるのに(人生が)退屈すぎる、ということになる」

若新氏は、今回の企画の意図についてこう語る。現在の社会では大学を出たら週5日働き、会社に生活の全てを捧げることが求められる。一方で、そのような生き方を忌避して「働いたら負け」と引きこもる人も少なくない。

学生と社会人の間に「中間的ポジション」がないことが問題だと、若新氏は指摘する。そして頑張っても給料の上がらない時代の人生の楽しみ方を考えるべきだという。

「しかも僕らの世代は年金がもらえるのが80歳からとも言われている。75歳まで働かないといけないのなら、ただ働いているだけじゃ幸せになれない」

従来は貧しさを克服し安心した老後を送るために、青年期や壮年期を犠牲にして当然という発想があった。しかし少子高齢化やグローバル化が進む中で、頑張った先の保証はもうない。であれば、いかに若い頃から自分の日常を充実させるかを考えるべきだというのだ。
長い休日は「自分のスキル向上に使いたい」

若新氏は、先行き不透明な世の中で、モラトリアム(大人になるまでの猶予期間)を生きる意味をこう説く。

「価値観が多様化した今の社会では、人によって目指すものが違う。『ゆるい就職』で週休4日・月給15万円の仕事をしながら、自分の生き方を模索することにも意義があるのではないか。30歳ぐらいになったときのために何か準備をするでもいいし、僕は家でボーっとしてたりとか、小説を読んでいたりしてもいいと思う」

今回の企画は、若者に新しいワークスタイルを提供するだけでなく、労働生産性をテーマにした実験という側面もある。3日間限定の仕事と割り切ってやることで、高い生産性を発揮する人がいるかもしれない。

「週3日だけの人の方が、正社員で週5日働いて残業しまくっている人よりもパフォーマンスが高い、ということが証明されたら、発案者の僕がめっちゃ讃えられるんじゃないかと(笑)」

説明会では、参加者同士による意見交換も行われた。学生からは、休日をプログラミングやデザインなど自分のスキルを向上させるために使いたい、という意見が目立った。

「週5日働いてそれで寿命を終えるのはむなしい」と語る学生も。月15万だと一人暮らしするのは大変なので、「みんなでルームシェアをすればいい」というアイディアも出ていた。

この様子に若新氏は、「就活みたいに力んでも仕方ないので、参加者にはまず楽しんでもらいたい。自分に合う企業が見つかるまで派遣で働いて、そこで働くと決めたらしっかりやる。その過程で人生に余裕が出てきたら成功という感じです」とうなずいていた。
ワーキングプアには「割のいい制度」

一方で、既卒者から出ていたのが、「週5日で働いていても月15~16万にしかならないので、『ゆるい就職』の方が割がいい」という声だ。

25歳のある男性参加者は大卒後に団体職員として勤務したが、職場に馴染めずに退職。アルバイトでは収入が足りず、貯金を切り崩して生活している。短時間で同じ給料が得られるならば、「ゆるい就職」をしながらアルバイトと組み合わせて働くことができる。

同じく25歳の男性も、ITや飲食、広告業界などで正社員を3回経験したが、いずれも短期間で退職。ゆるい就職の「週休4日」を使って、「不動産や投資などで不労所得を得る道を模索したい」と語っていた。

フルタイムで高給を得られる仕事が限られる中で、ダブルワークやトリプルワークを前提としながら、より割りのいい仕事を組み合わせて生きていく、という発想が求められる時代が来るのかもしれない。

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