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乙武洋匡「地域活動が社会を作る」

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●乙武洋匡「これからの日本を考える」(1)

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――乙武さんは今年の春から、「グリーンバード新宿」というボランティア団体を立ち上げて、地域の清掃活動を行っていますよね。これは具体的には、どのような活動ですか?

乙武: 「グリーンバード」はもともと、今から10年以上前に原宿表参道で誕生した地域清掃プロジェクトで、現在は日本各地のほか、パリやシンガポールなど、世界の約60地域にまで広がっているNPOです。我々「グリーンバード新宿」は、早稲田地区や大久保地区、神楽坂地区など、新宿区内で月に数回、ゴミ拾いを行っています。

――なぜ、乙武さんが清掃活動を?

乙武: 清掃活動を入り口にして、世代間交流を図りたいという思いからです。都心部では住民同士のつながりが希薄で、隣人の顔を知らない人も珍しくありません。その一方で、高齢者の単身世帯は増加傾向にあり、災害など何かあった際には孤立してしまいかねない。実際、今年2月に首都圏が大雪に見舞われた時には、雪かきができず、家のなかに閉じ込められた高齢者も多くいました。また、子育て世代にとっても、地域の人々が町ぐるみで子育てにかかわってくれれば心強いし、そうした関係性が治安にもつながっていきます。そうした、世代を越えて助け合えるような地域社会を作っていきたいというのが、「グリーンバード新宿」を立ち上げたきっかけでした。

――なるほど。こうした機会がなければかかわることのない世代同士が、出会えるようになるわけですね。

乙武: ただ、幅広い世代に参加を呼びかけようと思うと、告知方法が難しいんです。若い世代にはFacebookなどのSNSで、地域の方々には町内の掲示板や学校で配るチラシを通じて告知するなど、複数の回路をつくらなければなりません。しかし、実際に活動を始めてみると、世代間交流にとどまらない広がりが生まれています。たとえば、路上生活者の方々が「自分たちも何かの形で社会に貢献したかった」と参加してくださったり、近隣の日本語学校に通う外国人の皆さんが参加してくださったり。そうした広がりが励みになっていますね。

――なぜ、新宿を活動拠点に選んだのでしょう?

乙武: 高校・大学と青春時代を過ごした愛着のある町であるという理由もありますが、やはり新宿ほど多様性を具現化している町はないからです。新宿駅西口には超高層ビルが立ち並び、東口にはアジア最大の繁華街といわれる歌舞伎町があり、さらにはLGBTの方々が集まる2丁目もある。また、大久保には多くの外国人が暮らしているし、神楽坂には老舗のお店が並んでいる。1つのコミュニティに多様な人々が存在することは、「みんなちがって、みんないい」という僕の理念そのままなんですよ。それが新宿という街の魅力だと思っていますし、多くの人が居心地の良さを感じる理由だと思うんです。

(構成:友清 哲)

(R25編集部)

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