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錦織圭の試合は長すぎる?「3セットマッチで十分」と元プロ

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「どうゲームを終えたのかは覚えていないが、とてもうれしい。初めてベスト4進出を決めてハッピーだ」

 テニス4大大会(グランドスラム)のひとつ、全米オープン男子シングルスで全豪覇者のスタニスラス・ワウリンカ(スイス)を撃破。日本人選手として実に96年ぶりとなるベスト4進出の快挙を成し遂げた錦織圭(24)は、こう素直に喜びを表現した。

 8強入りを決めたミロシュ・ラオニッチ(カナダ)戦後には、「決勝に行くまでは、勝てない相手はもういない」と、“頂上決戦”を視野に確かな自信と手応えを感じさせるコメントも残している。それだけ今大会は体調面・精神面ともに絶好調なコンディションなのだろう。

 こうなると、否が応にも「全米制覇」の期待は高まる。準決勝(日本時間の9月7日予定)に勝って決勝に進めば、もちろん日本男子では初。現在11位の世界ランキングが一気に5位以内に浮上する可能性もある。

 しかし、ファンならずとも気がかりなのは、錦織の試合疲れ。並外れた運動量と瞬発力が要求されるテニスは過酷を極めるスポーツとして知られる。また、4大トーナメントともなると実力が拮抗した選手同士が激しいラリーの応酬を繰り広げるため、試合時間は長くなりがちだ。

 錦織もラオニッチ戦でフルセットまでもつれ込む接戦を制したため、終わってみれば時間は午前2時26分、試合時間は4時間19分にも及び今大会最長タイの記録を作ってしまった。中1日置いて臨んだワウリンカ戦でも4時間15分と、粘り勝ちの展開ばかり。さすがの錦織も疲労はかなりのものだろう。

 過去を振り返れば、2010年に行われたウィンブルドン選手権の男子シングルス1回戦、ジョン・イスナー(米国)VSニコラ・マユ(フランス)では、日没中断を挟んで3日にわたり計11時間5分とテニス史上最長試合となり語り継がれている。

 テニスの試合時間を何とか短くさせる方法はないのか――。この議論は過去にも度々持ち上がっては消えてきた。

 元プロテニスプレーヤーの杉山愛氏は、2012年にスポーツ総合サイト内のコラムでこんな見解を示している。

<見る立場で言えば、5セットマッチで4時間、5時間、じっと座って見ているのは大変です。やはり観客あってのスポーツですから、エンターテインメントとして、またスポーツビジネスとして見た時には、あまり試合が長くなりすぎるのは問題です>(Sportsnavi/2012年11月7日)

 グランドスラムの男子シングルスは5セットマッチ方式(3セットを先に取ったほうが勝ち)が採用されている。4ポイント先取で1ゲーム、それを6ゲーム奪ってようやく1セット。1セットに要する平均時間が30~40分、長いと1時間もかかるため、延々と試合が続くことになるのだ。

「男子でも3セットマッチでいいのでは?」との声も出る中、前出の杉山氏は3セットマッチへのルール変更には否定的だ。

<テニスはアップセット(番狂わせ)の少ない競技です。5セットマッチで3セットを取らなくては勝てないというルールだと、アップセットは起きにくいのです。ところが3セットマッチになると、勢いで押し切られる部分もあるので、トップシードがバタバタと負けることになるでしょう>(前同コラムより)

 一方、元プロテニスプレーヤーで法政大学スポーツ健康学部教授の神和住純氏は、時間短縮には賛成だという。

「1ゲームごとにサーブ権を交代したり、コートチェンジをしたりとテニスは無駄な時間も多いことは確かです。また、“真のチャンピオンは5セットを戦って勝ち抜いていく”という理論が根底にあるにせよ、3セットマッチでも強い選手は強い。サッカーなどと違って試合時間が読めないからテレビの中継枠にも入れづらいことなども考えると、もう少し時間短縮のルール変更は必要だと思います」

 しかし、ルール変更には高い壁が立ち塞がっている。神和住氏が続ける。

「男子プロテニス協会(ATP)の国際会議では、時間短縮のやり方が議論されたり、ラリーが続くようにボールを柔らかくしようとか、ネットを高くしようなど、いろいろな話し合いが行われてきましたが、歴史ある協会ゆえに保守派も多く、1つのルールを変えるのも容易なことではありません」

 選手には気の毒だが、しばらくは長丁場の“死闘”を見届けるしかなさそうだ。さて、錦織はどこまで体力を回復させることができるか。準決勝の相手は世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に決まった。

「錦織はこれまで課題だったフィジカル面をかなり強化して、5セットを戦い抜く強靭な精神力も身につけています。その自信を持続させたまま世界チャンピオンと堂々と戦い、なんとか決勝に行ってほしいですね」(神和住氏)

 グランドスラムすべてで16強入りを果たしている錦織。あとは満面の笑みで優勝杯を高々と掲げるだけだ。


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