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省エネならぬ笑エネで、家計も世界も平和に

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 2011年3月11日の東日本大震災以降、日本ではエネルギーや発電に対して関心が高まっています。原子力発電所が稼動できない今、注目を集める太陽光や風力、地熱などを利用した再生可能エネルギー。2012年からは固定価格買取制度も始まり、再生可能エネルギーを利用した発電設備の導入が日本各地で進んでいます。

 さらに節電。各メーカーとも節電対策を施した商品を開発するなど、”節電市場”も活況を呈しています。また、個人レベルでも、日本人の間では節電の意識が高まっているといえるでしょう。

 ただし、どこまで節電するかは、その人次第。一般的には節電といっても、照明のつけっ放しをやめるとか、エアコンの設定温度に気を配るなど、電気の無駄遣いをしないように気を付けるので精一杯かもしれません。しかし、身の周りにあるものを活かして、楽しく工夫しながら驚きの節電ライフを送っている人がいます。

 今回紹介する『できた!電気代600円生活』の著者・はらみずほさんは1ヵ月の電気代を600円台に減らしても、楽しく、心地良いようにカスタマイズする節電ライフの達人。そんな生活が本当にできるのか、疑いたくなりますが、著者は実践しているのです。エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、電気炊飯器、ドライヤーなど、どれも生活必需品と思われる家電とお別れを告げるという、ハードなやり方で。

 本書では家電ごとに、はらさんが工夫して編み出した節電の技を紹介。元コピーライターらしく、ユニークなネーミングをつけて家電無しで過ごす方法を分かりやすく説明しています。すべて真似するのは難しいかもしれませんが、部分的に取り入れられるかもと思える技もあるので参考にしてみてください。

 また、電気代600円生活のノウハウのヒントとなった世界6大陸・60ヵ国を6年かけて巡った旅のエピソードも綴られており、説得力があります。世界の旅で得た気づきや生活の知恵、国内外で出会った人々から学んだことへの感謝と、それらを自分の生活に活かそうという思いが本書には溢れています。

 たとえば旅先でのイスラエル青年兵とのやりとりを境に、戦争について考え続け、資源やモノの大量消費が、巡り巡って紛争や戦争を引き起こす原因の一つになるということに気づいた、とはらさんは振り返ります。

 私たちが消費することで、資源や利権を持つ者たちは莫大な利益を手にするため、彼らは利益を最優先し、その立場を守ろうとする。こうした考えや行動が紛争や戦争を引き起こす原因になるのだから、消費者である私たちが資源の無駄遣いやモノの浪費を止めれば、世界の平和に僅かでも貢献できるのではないか――はらさんはそう言います。この思いがはらさんの電気代600円生活の原動力になったというのです。

 冷房の設定温度に気を配ったり、照明のつけっ放しをやめたり、使わない家電のコンセントを抜くなど、日常できる小さなことでも世界のためになるかもしれない……そう思うと、電気やモノの消費について意識が変わります。意識を変えれば、私たちの生活や行動は自分だけでなく、社会にも、世界にも意味のあるものになるかもしれません。ただの「省エネ」が「笑エネ」になるのなら、そんな素晴らしいことはありませんよね。

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