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後から追加された競業禁止規定は有効なのでしょうか?

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Q.

 現在ブライダルプランナーをしています。勤続5年、考え方の違いから8月退職予定です。その後は、フリーのブライダルプランナーとして個人で活動していく予定です。入社時に競業禁止の話もなく、就業規則に競業禁止も入っていませんでした。にもかかわらず、今になって競業禁止があると言われて困っています。「入社時に競業禁止の話をされたわけでもないし、就業規則にも書いていないですよね」と確認したところ、何年か前に就業規則の中に競業禁止の項目が追加されたと言われました。変更自体知らされていない上に、掲示などもありませんでした。
 何のサインもしていませんし、裁判になったところで私に不利な点があるのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 競業禁止とは、ある従業員が在職中、もしくは退職後一定の期間、在籍していた会社の業務と競業的性質を有する行為をしてはならないことを指します。会社側としては、顧客情報の流出や営業機会の減少を防ぐことを目的にしています。

 このような、退職後、一定期間競業的行為を禁止する場合には、就業規則や労働契約書に規定が必要であり、規定が無ければ義務を負わせるのは難しいものです。また、規定があっても、期間や地域的範囲が妥当かどうかは個別に判断されます。というのも、憲法において「職業選択の自由」(憲法22条1項)が保障されており、競業禁止をする場合は、制限的にしなければならないという考え方があるためです。

 実際の裁判例では、
(1)競業を制限する期間の長短

(2)制限する地域の範囲

(3)制限対象となる職種

(4)代替措置の有無(競業を禁止する代わりに退職金の割り増しをするなどの措置があるかどうか)

などを基準として、従業員の役職や働き方を考慮して競業禁止の妥当性を判断する傾向にあります。

 特に、規定があったとしても代替措置が無い場合、当該競業禁止規定は無効であると判断される傾向が強いと言えます。また、役職がない、いわゆる平社員の場合は競業禁止が無効と判断されるケースが多いと言えます。

 他方で、今回のケースでは就業規則を変更して競業禁止規定を追加した経緯があるとのこと。この就業規則の変更を行う場合は、就業規則を作り直し、所轄の労働基準監督署へ届出を行い、労働組合などから意見を聴取したり、変更後は掲示などをする義務があります(労働基準法89条90条106条など参照)。こうした手続きが欠けていた場合、当該規則自体が無効であると判断される可能性があります。

 ご相談者様のお話では、掲示などの周知もなく気がついたら変わっていたとのことですので、会社側に手続き上の違法性がある可能性は高いと言えるでしょう。となれば競業禁止規定自体が有効に成立しておらず、結果的に規定が適用されない可能性はあります。

 また、ご相談者様の場合、仮に裁判に発展した場合、前述の基準から考えて、競業禁止規定が無効と判断される可能性は高いケースではないかと思われます。

 ただ、会社側と競業禁止規定が無効であり、退職後、自由に営業をしていける旨を確認していくための交渉は、個人では限界がある部分があろうかと思われます。経緯からご相談者様に有利な点が散見されるため、一度、弁護士に経緯を相談されて、交渉などを代行してもらうというのもひとつの方法ではないかと思われます。

元記事

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